佐々木悠華

【インタビュー】佐々木悠華「物心がついた時から俳優を目標にしていました」

今夏話題になった『カロリーメイト「入学から、この世界だった僕たちへ。」篇』メインキャストの俳優・佐々木悠華(20)。物心ついた時から俳優になりたい夢を抱き続けてきた彼女が、12月9日より公開となる映画『散歩時間~その日を待ちながら~』に初出演。俳優とした歩みだした今の気持ちを聞いた。

映画『散歩時間~その日を待ちながら~』の舞台は2020年11月17日のコロナ禍真っ只中。しし座流星群がピークを迎えるこの日、同じ空の下で、それぞれのやり切れない想いを抱えた夫婦、青年、単身赴任の夫などが群像劇として描かれる。
そして、同級生の男の子・光輝(演:山時聡真)に長年の恋心さえも伝えられずにいる中学3年生の“鈴”を演じるのが佐々木悠華。映画初出演にして、少女の元気さと初々しい恋心を見事に演じきっている。

監督は、若手俳優や群像劇の演出に定評のある戸田彬弘(『13月の女の子』)。脚本は、香取慎吾主演ドラマ『誰かが、見ている』で三谷幸喜氏との共作に抜擢されたガクカワサキが担当している。

佐々木悠華 インタビュー&撮り下ろしフォト

■物心がついた時から俳優を目標に!

-俳優のお仕事を始めようと思ったきっかけは?

佐々木悠華
物心がついた時から俳優さんになろうと決めていて、保育園で将来の夢を書くときも「俳優さん」って書いてました。
テレビが好きだったので、ドラマなんかを見て、「お芝居をしてみたい!ここの世界に私も入る!」って思っていたんです。

佐々木悠華

佐々木悠華

-今回出演された『散歩時間~その日を待ちながら~』より前のお芝居のご経験は?

佐々木悠華
まったくないんです。高校卒業してから本格的にお芝居の勉強を始めて、それから半年後に戸田監督のワークショップに参加することになり、それがきっかけで今回の作品への出演が決まりました。

-出演が決まった時のお気持ちは?

佐々木悠華
とても嬉しかったですし、同時に私で大丈夫かな?という不安もありました。

-本作では、いくつかの夫婦やカップルの姿が群像劇として描かれていて、親しい間柄でも、ちゃんと言葉で伝えないとわかり合えないところがあるんだという点も印象的でした。

佐々木悠華
はい。私も家族とはそんなに話をする方じゃないんですけど、親しいからこその距離感や空気、親しいからこそ隠しちゃうこととか、そういうことはあるなっていうのを感じました。
近すぎて見えないものもあるし、だからこそ大切にしなきゃと、自分で演じていても、完成した作品を観ても思いました。

■子どもの頃からその時の感情を日記に記してきた

-初めてのお芝居でしかも中学生役ということで、どういう取り組みをされましたか?

佐々木悠華
小さい頃、俳優さんになると決めたと同時に、その時々の感情を忘れないようにとも思ったんです。そして、小6くらいからは本格的に日記をつけるようになりました。
今回の“鈴”ちゃんという役は、同じ年の男の子の光輝(演:山時聡真)が好きなので、役作りにおいては、中学生の頃の日記の当時好きだった男の子について書いているところを見返すところから始めました。

-その日記には日々の感じたことを書かれているんですか?

佐々木悠華
そうです。ほんとに些細なことから。たとえば、「今日学校の廊下で好きな人とすれ違ってドキドキした」とか、自分の感情が揺れた時にノートに日記を書くようにしています。

-確かに昔の自分の感情、特に思春期の頃の自分の感情は、大人になると忘れてしまいがちですからね。

佐々木悠華
そうなんですよ!思春期の頃の感情ってほんとにそのときだけだし、それは大人になって忘れちゃいけないと思って、中学生の頃、書き留めていました。
お芝居についてはほとんど感覚的な感じなんですが、“鈴”は私に近いところもあってそこはやりやすかったです。

-近いというのはたとえば?

佐々木悠華
エネルギッシュなところです。“鈴”には、今この瞬間を全力で楽しむ!というところがあって、毎日毎日が楽しくて学校に通っている女の子ですが、それは私が中学生の頃と似ているなと思います。思ったことをすぐに行動に起こしたり、突っ走ってしまうところなんかも。

佐々木悠華

■年下で先輩の共演者

-戸田監督からの演出は?

佐々木悠華
「“鈴”は物語のなかでは一番明るい子なので、楽しんでね」と言っていただいたのが印象的に覚えています。
コロナ禍もテーマに扱っている作品なので、登場人物たちが不安な気持ちもある中、“鈴”は明るく元気に振る舞う女の子です。

散歩時間~その日を待ちながら~

場面写真(光輝&鈴)

-初めてのお芝居で、マスクをつけて目の表情だけでお芝居するのは大変でしたか?

佐々木悠華
口元が見えないので、お芝居は難しかったんですけど、目の表情でいかに感情を伝えるかというのは意識するようにしました。

散歩時間~その日を待ちながら~

場面写真(鈴&光輝)

-共演された山時聡真さんは、役としては同級生ですが、佐々木さんより3歳年下で、大きな作品にも出演されていて、俳優としてのキャリアは先輩となります。そんな山時さんとの共演はいかがでしたか?

佐々木悠華
初めてお会いした時は年下とは思えないぐらいしっかりされていて、すごいなって純粋に思いました。お芝居においても刺激を受けましたし、引っ張ってもらいました。
でも、撮影の合間の休憩時間にお話しているときは、高校生なんだなっていう一面も感じました。

-山時さん演じる“光輝”と“鈴”の2人で学校のプールに忍び込もうとして高いフェンスを乗り越えるシーンがありますが、ここは大変でしたか?

佐々木悠華
大変でした。脚立を使って登ったんですが、なかなかフェンスを越えられなくて、何テイクもかかりました(笑)

散歩時間~その日を待ちながら~

場面写真(鈴&光輝)

■高校最後の年にコロナ禍に

-本作の撮影が昨年で、今年は、カロリーメイトのWeb CM『カロリーメイト「入学から、この世界だった僕たちへ。」篇』にも出演されて、7月には東急東横線渋谷駅改札内コンコースに大きな佐々木さんのお顔のグラフィックデザインが掲出されてましたが、実際にご覧になっていかがでしたか?

佐々木悠華
すごい!私じゃん!!って思いました(笑)

-偶然にも、『散歩時間~その日を待ちながら~』もカロリーメイトのWeb CMもコロナ禍が大きなテーマになっています。特にカロリーメイトのWeb CMでは、コロナ禍により制限された学生生活が描かれていますが、佐々木さんが高校生の時はコロナ禍の影響はありましたか?

佐々木悠華
高校3年生の時にコロナ禍になって、出席は1日ごとにクラスの半分ずつの交代制になったので、仲の良い友だちに会えなくなり、それがとても悲しかったです。

-修学旅行は行けたのでしょうか?

佐々木悠華
はい。修学旅行から帰ってきてから1週間後に世の中がコロナ禍になりました。

佐々木悠華

■すべては俳優になったときのために!

-プロフィールの特技に、バンドでギターボーカル担当とありますが、どんなジャンルの音楽でしょうか?

佐々木悠華
高校は軽音楽部に入っていて、その頃にバンドを組んでいました。当時部活自体が気合が入っていて、入部してすぐに「曲を作ってください」と課題を与えられました。私自身ギターを始めてまだ3週間ぐらいの時に(笑)
いくつかバンドを組んだり、解散したりを繰り返したんですけど、ポップス系の3ピースバンドが多かったです。そこで私はギターボーカルをやってました。

-それにしてもギターを始めて3週間でよく作曲ができましたね!

佐々木悠華
そうなんです。いきなり部の合宿があって、コードの押さえ方もほとんど知らない状態なのに「3日で1曲作ってください」と言われて、全員泣きながら曲を作っていました(笑)
で、合宿の最終日でみんなが披露し合うのですが、本番ではまったくできなくて、歌詞もその場で思いついた適当な言葉で歌って、メロディーも違うものになって(笑)

-でも軽音楽部に入ろうと思われたってことは、もともと好きなアーティストはいたんですか?

佐々木悠華
それが実はあんまり・・・。そもそも歌も苦手でカラオケでも60点前後でしたし(笑)
実は、「俳優になるためにはなにか特技を作りたい!」という想いが先にあって、苦手なものに挑戦しようということで、最初はダンス部の体験入部に。でも、何かが違うって思って、それから軽音楽部に入ったんです。

-なるほど。たしかに俳優になったとき、プロフィール欄には大抵「特技」の欄がありますからね(笑)

佐々木悠華
そうなんです。その頃もすべては将来俳優になったときのことが先にありました(笑)
でも、いったん軽音楽部で頑張ると決めたからにはちゃんとやりきりたかったので、朝から夜までずっと練習していました。
あと、歌詞については、さっきお話した日記にはポエムも書いていて、たとえば「夜の街を歩きながら“あぁ、自分はなんのために生きているんだろう?”」とか、自分に酔いしれる感じのを(笑)

-同じプロフィール欄には、陸上とも書かれています。

佐々木悠華
中学は陸上部に入ってました。短距離、長距離それぞれやってました。特技の欄に書いてますが、得意っていうほどではなく(笑)、ただ、今でも朝起きたら15分ほど走るようにしています。それで1日がスタートします。

佐々木悠華

■人間観察にハマっています

-今好きなことは?

佐々木悠華
電車に乗っているといろんな人がいますが、電車の中で人間観察をするのにハマっています。オーディション帰りに時間があると、山手線を何周もしたりして。山手線に限らないですが、車両によって空気感が違っていて、たとえば真ん中あたりの車両は忙しそうな人が多く、ドアのギリギリのところに立ち続けて、誰よりも早く降りたいんだなとか想像して楽しんでいます。
あとは、電車の中で会話しているお友だち同士や、カップルらしき人たちを見て、彼らの関係性や「この人たちはこれからどこに行くんだろうな?」とか想像したりします。

-なるほど。でも人間観察は、今後のお芝居に役立つかもしれないですね。

佐々木悠華
そうですね。それもあって見ているのかもしれないです。

-好きな俳優さんはいらっしゃいますか?

佐々木悠華
小松菜奈さんが好きです。唯一無二な独特のオーラを感じて素敵だなと思います。

-今後演じてみたい役柄や、出演してみたい作品は?

佐々木悠華
私はこんな感じなので(笑)、明るくて天真爛漫な役はやりたいですし、逆に、内面に何か“陰”なものを抱えているキャラクターも演じてみたいです。
私自身、これまでドラマや映画のお芝居によって救われてきたので、私のお芝居を通して、観てくれている方に寄り添えることができるそんな作品にいつか出られたらいいなと思います。

佐々木悠華

■これからもずっと俳優として生きていきたい

-今回の『散歩時間~その日を待ちながら~』は、佐々木さんにって子どもの頃からの目標だった俳優としての第一歩となる作品になりました。それについて改めてなにか思われていることはありますか?

佐々木悠華
「俳優になってお芝居をしたい」という目標は持っていましたが、もちろん今まではそれが実際どういうことかはわかっていませんでした。
でも、今回初めて撮影現場を経験させていただいて、お芝居って楽しいなって感じましたし、やっぱり私はこれからもずっとお芝居をしていたいと撮影が終わったときに改めて思いました。これからもずっと俳優として生きていきたいですし、映画、舞台と活躍の幅を広げていきたいです。

-最後に、『散歩時間~その日を待ちながら~』をこれからご覧になる方へのメッセージをお願いします。

佐々木悠華
この映画はコロナ禍の日常を描いています。コロナ禍では、多くの方がうまくいかないことや不安なことを抱えて過ごしきたと思います。そういう方々がこの映画を観終わった後に、今まで見えなかったものの大切さに気づいたり、温かい気持ちになっていただけたら嬉しいです。是非劇場でご覧ください。

佐々木悠華

佐々木悠華

■撮り下ろしフォトギャラリー

[写真・インタビュー:三平准太郎]

佐々木悠華(ささき ゆか)プロフィール
2002年12月5日生まれ 東京都出身(20歳)
戸田彬弘監督とワークショップで出会い、今作品のメインキャストに抜擢。どこか懐かしい少女のような笑顔と、芯のある演技で今後が楽しみな女優。
主な出演作品に、カロリーメイトWeb movie「入学から、この世界だった僕たちへ。」メインキャスト、TVCM「JAL×コカコーラ 新たな旅立ち篇」、TVCM「スーツのはるやま」(松本花奈監督)メインキャスト、MV「優しい人、赤い糸」(上野優華)主演、など。

映画『散歩時間~その日を待ちながら~』

STORY
舞台は2020年11月17日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった20代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。
引っ越しの整理もままならない二人だが、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、秀和(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いのインフルエンサーちひろ(めがね)らが集まる。
しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂っ てしまう。
同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバ リー案件に答えながら出演舞台が中止になる日々を送る30代の若手俳優の片岡(アベラヒデノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない40代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学3年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
この日は、しし座流星群がピークを迎える日──
恋人や親友、我が子との間でさえも曖昧になっていく他者との繋がりに、それぞれが葛藤を抱えながらも、たしかな一歩を踏み出そうと する彼らの空に、流れ星が降り注ぐ。

出演:前原滉 大友花恋
柳ゆり菜 中島歩 篠田諒 めがね 山時聡真 佐々木悠華 アベラヒデノブ
ヤセル ジャマル でぃばば フェルナンデス直行 つじかりん 大迫茂生 根矢涼香 辻凪子
野村啓介 安倍乙 菊地姫奈 晴野なち 大浦千佳 竹下かおり 藤田健彦 伊藤ナツキ 早織 池田良 田山由起 のこ
高橋努

原案•監督•編集:戸田彬弘
脚本:ガク カワサキ
音楽:茂野雅道
制作プロダクション:チーズfilm
助成:ARTS for the future!
配給•宣伝:ラビットハウス
製作:チーズfilm / TOHEARTS Inc. / 高橋淳 / 深澤知
© 2022「散歩時間~その日を待ちながら~」製作委員会
公式サイト:https://sanpojikan.com/
公式Twitter:https://twitter.com/sanpojikanMovie

予告編

YouTube player

2022年12月9日 Fri. 新宿シネマカリテ 他 全国順次公開

散歩時間~その日を待ちながら~


佐々木悠華出演Web CM「カロリーメイト「入学から、この世界だった僕たちへ。」篇」

YouTube player

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

CAPTCHA