「仮面ライダー生誕50周年企画 発表会見」まとめレポート
4月3日(土)19時30分より、丸の内TOEI シアター1にて「仮面ライダー生誕50周年企画 発表会見」が行われ、『風都探偵』、『仮面ライダーBLACK SUN』、『シン・仮面ライダー』の制作が発表された。(動画あり)
この日この時間は、仮面ライダーシリーズ最初の放送日である1971年4月3日の放送開始から数え、ちょうど50年目にあたる。
本記事では、これら3作品ごとの会見動画とテキスト情報を合わせて掲載する。
仮面ライダーWEB:https://www.kamen-rider-official.com/
仮面ライダー生誕50周年企画 発表会見レポート
■生誕50周年「仮面ライダー」メモリアル映像【庵野秀明構成】
■社長コメント
東映株式会社 代表取締役社長 手塚治
1971年4月3日土曜日、夜7時30分に「仮面ライダー」第1シリーズ第1話の放送が始まり、仮面ライダーシリーズの歴史が始まりました。
そして50年、私たちは32のシリーズを重ねました。テレビ、映画、ビデオ、DVD、そして配信、あらゆる形で仮面ライダーシリーズを皆さん、楽しんでいただけたことと思います。
また、先ほどバンダイの方に伺ったら、最初の仮面ライダーシリーズの変身ベルトは三百数十万本売れたそうです。以来、さまざまなグッズも展開して参りました。
今日、企画発表会見を開きましたのは、人類皆等しく仮面ライダーを楽しんでいただこうというための施策を披露し、新しい時代へ向けての新たな仮面ライダーの魅力を発信していくためです。
■『風都探偵』
仮面ライダー史上初のシリーズアニメ化
「仮面ライダーW(ダブル)」のその後を描くマンガ「風都探偵」(週刊ビッグコミックスピリッツ)のアニメ化が決定した。
「仮面ライダーW(ダブル)」は、桐山漣(左翔太郎役)、菅田将暉(フィリップ役)がW主演した2009年放送の、平成仮面ライダーシリーズ第11作目だ。ハードボイルドな探偵バディドラマで、高いドラマ性やスタイリッシュなアクションなどで好評を博し、シリーズの中でも人気の高い作品の一つとなっている。
現在は「週刊ビッグコミックスピリッツ」にて続編を描いたマンガ「風都探偵」が大人気連載中。
『風都探偵』
展開時期:2022年夏
詳細:https://www.kamen-rider-official.com/kr50th/fuuto
(C)石森プロ・東映・「週刊ビッグコミックスピリッツ」(小学館)
会見
東映株式会社 テレビ企画制作部長「仮面ライダーW」プロデューサー 塚田英明
『風都探偵』はマンガです。「仮面ライダーW」の正統続編として2017年8月から小学館の「週刊ビッグコミックスピリッツ」で連載開始して、現在も続いています。
この『風都探偵』が今回アニメになります。シリーズのアニメーションとしては、仮面ライダー50年史上、初の試みです。
『風都探偵』は、「仮面ライダーW」という映像作品から石ノ森章太郎先生の原点でもあるマンガという形にメディアを移して続きをやったわけですが、その中で、映像から始まった作品をマンガ化するにあたって、いろんな発見だったり、進化だったりとかいうものがありました。そのマンガ表現の新しい発明と進化を探り合った部分が『風都探偵』にはありました。
これを同じことが今回のアニメーションという次の形態に行くにあたって起こるのではないかと。新しい発見と進化を、アニメ版『風都探偵』で実現させたいと思っております。
アニメのクリエイター達には、仮面ライダーを作りたくてウズウズしているという人がたくさんおられまして、その優秀なスタッフの皆さんと一緒に作業を進めています。
特撮、マンガ、アニメ、それぞれのファンの皆様に満足していただける作品になると確認しております。楽しみに待っていてください。
質疑
-海外ではいつ頃見れるようになりますか?
塚田英明
日本と同じ2022年夏頃に、欧米はファニメーションから配信します。それ以外の地域に関してはまだ調整中ですが、なるべく早いタイミングで皆さんに見ていただけるように準備しております。
-「仮面ライダーW」がマンガ化、そして今回のアニメ化と異例の展開を示していますが、そこまでこの作品が支持される理由はどこにあるとお考えですか?
塚田英明
タイトル『風都探偵』には、“風都”“探偵”と2つの単語がありますが、その2つの要素が支持していただけてるのではと思っております。
「仮面ライダーW」はヒーロー作品でありながら、探偵もの、事件ものとして面白い作品となるよう心がけて作ってきました。
そこのこだわりが大人のファンの方にも支持していただけているのかなと思っています。
もうひとつ、“風都”というところで、架空の街を描くというコンセプトなんですが、キャストの皆さんだったり、仮面ライダーWを好きで見てくださっている皆さんだったり、“風都”という街の住民じゃないですけど、なんとなくそういう感覚を持っていただいているんじゃないかなと思っていて、そこが愛着を持って、この10年以上愛し続けていただいているのかなと思っています。
-仮面ライダーシリーズの魅力は?
塚田英明
「仮面ライダーは悪から派生した正義です」と、東映の辞書には書いてありまして、そこが他のヒーローと違って、影を背負って闘う。そこの深いテーマ性が仮面ライダー各シリーズの根っこにあり、そこが魅力のひとつなのではと思います。
会見動画
■『仮面ライダーBLACK SUN』
仮面ライダーシリーズの中でも金字塔作品と言える『仮面ライダーBLACK』を名匠・白石和彌監督の指揮のもと、『仮面ライダーBLACK SUN』として新たに制作されることが決定した。
『仮面ライダーBLACK』は、歴代仮面ライダーシリーズの中でも原作『仮面ライダー』への原点回帰をコンセプトとし、過酷な運命を背負った主人公に悲哀に満ちたストーリーが魅力的な人気作。
それを30年以上の時を経て新たにリメイクすることになる。作品ロゴは書道家の武田双雲先生の書き下ろし。本作の世界観が美しく、壮大に表現されている。
白石和彌監督は、『凶悪』『孤狼の血』そして『凪待ち』などの大ヒット作品を手がけてきた名匠。その白石和彌監督が新しい視点で切り取り、描きなおす全く新しい『仮面ライダーBLACK SUN』に期待だ。
本シリーズは2022年春スタート予定。
『仮面ライダーBLACK SUN』
展開時期:2022年春
監督:白石和彌
詳細:https://www.kamen-rider-official.com/kr50th/blacksun
(C)石森プロ・ADK・EM・東映
東映株式会社 取締役 コンテンツ事業部門担当 吉村文雄
1987年に放送された『仮面ライダーBLACK』。原作への原点回帰をコンセプトに主人公とライバルが闘うという設定など、のちの平成仮面ライダーシリーズに繋がる、方向性を決定づけた金字塔的な作品であり、石ノ森章太郎先生が関わられた最後のテレビシリーズでもあります。
仮面ライダー生誕50周年を記念し、『仮面ライダーBLACK』をリブートし、新たに『仮面ライダーBLACK SUN』として皆様にお届けすることとなりました。
シリーズ全体の監督を務めるのは、日本映画界の風雲児・白石和彌監督となります。白石監督からコメントが届いておりますので紹介します。
仮面ライダーBLACKのリブートという、とんでもないプロジェクトに身震いしています。
仮面ライダー50年の歴史の重きに押しつぶされないように才能の全てを注ぎ込みます。
南光太郎と秋月信彦の二人の悲しみの物語が、日本のヒーロー史に新たな爪痕を残せるように頑張ります。ご期待ください!白石和彌
吉村文雄
この『仮面ライダーBLACK SUN』は、2022年春にベールを脱ぐ予定です。それまで皆様、是非お待ちいただければと思います。
質疑
-本作は海外ではいつ見ることができますか?
吉村文雄
まだ未定ですが、2022年春には、日本を含め全世界で同時に見ることができるように調整を続けていきたいと考えています。
-白石監督となった経緯は?
吉村文雄
元になっている『仮面ライダーBLACK』は、お話の骨子として、兄弟同然に生まれ育った二人がライバル関係になって闘うという、二人の関係性にフォーカスした物語であったり、それに伴う悲しみや、苦しみを描いたかなり人間性に関してすごく突っ込んだドラマです。
これをどういう方にお願いしたら新しい作品として蘇らせることができるのかという中で、白石和彌監督にお願いすることとなりました。
白石監督の作風は皆さんご存知だと思いますけど、白石監督の手にかかることによって、仮面ライダーBLACKが、仮面ライダーBLACK SUNとしてどのように生まれ変わるのか、私も含めて非常に興味のあるところでございます。
-2022年春ということですが、発信の形としてはテレビですか?配信ですか?
吉村文雄
そこに関しては調整中です。今の段階ではまだ発表できることは決まっておりません。
会見動画
■『シン・仮面ライダー』
『シン・仮面ライダー』
2023年3月公開
監督・脚本:庵野秀明
詳細:https://shin-kamen-rider.jp/
(C)石森プロ・東映
東映株式会社 取締役 テレビ第二営業部部長 白倉伸一郎
本日、50周年を迎えた仮面ライダーですが、その原点、1971年に放送された「仮面ライダー」を元に、脚本・監督に庵野秀明さんをお迎えしまして、完全新作、オリジナル作品として『シン・仮面ライダー』を製作することになりました。
公開は、2023年3月を予定しております。
今、ビジョンに映っているのはこの映画のイメージ画です。描いていただいたのは作品にも参加いただいてますけれども、前田真宏さんです。
撮影はこれからですが、どのような作品になるのか、私自身、好奇心のエンジンが“ブルンブルン”(『機界戦隊ゼンカイジャー』のキャラクター、ブルーンの口グセ)でございます。失笑はやめてくださいね(笑)
大いにご期待いただければと思います。
ライダーの歴史は革新の歴史でもあります。
「どんな仮面ライダーがあってもいい」と父・石ノ森章太郎は常々語っていました。人類の自由のために戦いを続けてきたたくさんのライダーたちの歴史はついに50年を迎えました。
一方で父は「真」「Black」など仮面ライダーの原点の再生にも常に熱い目を向けていました。庵野監督の「シン・仮面ライダー」は最新でありながら同時にこの原点でもあるという作品です。この2つが50年と言う節目の年にもう一度混ざり合う。それは勿論、父にとっても非常に嬉しいことだろうと思います。監督の挑戦に期待しております。
株式会社石森プロ
代表取締役社長 小野寺章
50年前、当時の小学生男子のほとんどが仮面ライダーという等身大ヒーローに憧れ熱中しました。
自分もその一人でした。
50年前にテレビ番組から受けた多大な恩恵を、50年後に映画作品という形で少しでも恩返しをしたいという想いから本企画を始めました。本企画は、
子供の頃から続いている大人の夢を叶える作品を、
大人になっても心に遺る子供の夢を描く作品を、
石ノ森章太郎先生と東映生田スタジオが描いていたエポックメイキングな仮面の世界を現代に置き換えた作品を、
そして、オリジナル映像を知らなくても楽しめるエンターテインメント作品を、
目指し、頑張ります。最初の企画メモから足掛け6年。
コロナ禍の影響による制作スケジュールの変更から公開はほぼ2年先となりましたが、
何卒よろしくお待ち願います。脚本・監督 庵野秀明
質疑
-企画の経緯は?
白倉伸一郎
きっかけは6年前に遡ります。弊社社員でこの作品のプロデューサーもやっております、紀伊宗之が『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』で庵野監督と密な関係を構築させていただいて、その時に庵野監督から「こういう企画はどうだ」といただいたメモが始まりです。
それから足掛け6年間、準備を進めて参りまして、ようやく今日、発表できることになりました。
-コロナ禍で遅れたというお話がありましたが、製作状況は現在どうなってますか?
白倉伸一郎
当初は、50周年期間中に公開できたらと準備をしていました。でも、コロナ禍によるドミノ現象が起きまして、2023年を目ざすということになっております。
逆に申しますと、準備はじゅうぶんにできていると思っています。撮影はこれからなんですが、余裕を持って2023年を目ざせると思っております。
-海外での公開時期は?
白倉伸一郎
全世界同時公開を目ざしています。まだぜんぜん確定はしておりません。
-庵野監督のテイストが加わった仮面ライダーはどんな作品になりそうですか?
白倉伸一郎
いろんなイメージがあると思いますが、私は若い頃から5歳年上の庵野監督の背中をずっと追ってきて、でもどんどん大きくなっていって遠くになっていって、クリエターとして羽ばたいていらっしゃいます。
その方が先ほどのコメントにもありましたように、仮面ライダーというものに対して、ものすごい愛情と愛着を持っていらっしゃるということを、とても嬉しく思っております。
昔から(仮面ライダーのことが)お好きだということは存じ上げていましたけれど、庵野監督は仮面ライダーの人ではないですよ。そういう次元じゃない。ただ好きな人ってだけじゃない、世界的なクリエイターです。
その庵野監督と仮面ライダーが結び付けられる、それは50年の前のこの日、テレビ放送を庵野監督がご覧になったからですけど、ほんとに僥倖だったと思います。
だからどんなものが出てくるか、もちろん私自身監督と打ち合わせしながら、漠然としたイメージは持っていますけれど、監督のコメントにもあったような、仮面ライダーを初めて見る方でも楽しめる、必ずや愛に満ちたそしてものすごいエンターテイメント作品になると信じています。ほんとに1日も早く見てみたいと思っております。
-初代仮面ライダーがベースということですが、解釈としては「対ショッカー」ということでいいんでしょうか?
白倉伸一郎
初代仮面ライダーがベースなのは確かですが、果たしてそういう名前のものなのかというのも含めてシークレットにさせていただければと思っています。
-小野寺さんのコメントでのイラストに、クモ男とコウモリ男がいましたが、これは何かの暗示なのでしょうか?
白倉伸一郎
BLACKもそうですが、仮面ライダーシリーズは、クモ男とコウモリ男からエピソードを始める作品が多いんですが、私自身は庵野監督の『シン・仮面ライダー』もそこからスタートしてくれると、すごくアガるなぁと思っておりますが、それを最後にジャッジするのは庵野監督です。
会見動画
『シン・仮面ライダー』超特報
■3作品解禁を受けて。
東映株式会社 取締役 テレビ第二営業部部長 白倉伸一郎
本日解禁した3作品をタイムスケジュールにマッピングするとこのようになります。
仮面ライダー50周年企画はこの3作品だけということではありません。2021年夏に公開を控えている映画作品とか、現行のTVシリーズ、仮面ライダーセイバーの後継作品等々にも50周年の冠は付いていきます。
なぜこの3本なのか?ということですが、ご承知の通り原作は石ノ森章太郎先生のマンガ作品ですが、遺されたのはたった2本です。そのうちの1つが、初代仮面ライダーであり、もう1つが仮面ライダーBLACKです。
50周年を飾るにふさわしい作品として、石ノ森先生が描かれたマンガに基づく、初代仮面ライダーを完全新作とした『シン・仮面ライダー』と、白石和彌監督による『仮面ライダーBLACK SUN』です。そして、石ノ森章太郎先生の原点に戻ってマンガ化された『風都探偵』。
これら3本こそ、50周年企画にふさわしいと考えました。
作品公開は、1年以上先となってますが、逆を申しますと、50周年というお祭りがこの1年間で終わらないということです。2023年まで、足掛け2年以上続きます。
この3本をきっかけに仮面ライダーシリーズがますます盛り上げっていけるよう、頑張っていきます。
[動画・記事:桜小路順]
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