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海の底からモナムール

フランス人の監督とカメラマンが撮った広島が印象的。日仏合作映画『海の底からモナムール』初日舞台挨拶

12月4日、都内にて日仏合作映画『海の底からモナムール』初日舞台挨拶が行われ、出演の三津谷葉子と杉野希妃が登壇し、フランス人監督ならではの本作について語った。

本作は、エリック・ロメール監督作品の音楽を担当するなど、多岐に渡って活躍するフランスのロナン・ジル監督の長編2作目。
溝口健二や増村保造の影響を受け、念願の日本で本作を撮影したジルは、日本のキャストで全編日本語ながら、日本の従来のホラー映画の幽霊とは違う、足があり、セーラー服を着ていて、性欲もある、オリジナリティ溢れるヒロインを描き、ホラーファンもロマンティクなフランス映画ファンも必見の一作となっている。

舞台挨拶レポート

海の底からモナムール

三津谷葉子/杉野希妃

三津谷葉子が演じた、桐山漣演じるタクマの彼女・カオリ役には、フランス人のロナン・ジル監督が、“アジアンビューティー”の女優さんを探していたそうで、「カオリ役にぴったり」とキャスティングされた三津谷は、「そんな風に言っていただいてありがたいです。この作品の前に、希妃さんが監督をした(斎藤工と共演した)『欲動』という作品をやったので、『欲動』を見てくださったのかなと思い、とても嬉しかったです」と喜びを語った。

本作のヒロインであるミユキは、10年前、高校でイジメに遭い、島の崖から飛び降り、「ただ愛されたい」という想いを抱き、性体験をしたことのない17歳のままずっと瀬戸内海の浜にいるという設定。三津谷はカオリ役について監督からは、「結婚がしたい、今風の大人な女の子で、幽霊のミユキ役とは対照的になるような感じの役にしたい」と言われたそう。

カオリの彼氏・タクマのことを好きな幽霊のミユキにストローで鼻血を吸われるシーンは衝撃的で、同時にエロティックに見えるが、「私自身は『エロティック』というのは意識していなかったんですけれど、出来上がったものを見て、そういう風に受け取る方もいると聞いて、『そういう風にも見えるんだな』と思った」そう。監督としては、性経験のないミユキが、大人のカオリの経験を吸い取るという意図だそうで、三津谷は、「私の持っているものを吸い取るという表現がしたいと聞きました。かなり印象的で、他には見たことがない面白いシーンになっている」と太鼓判を押した。

三津谷葉子

三津谷葉子

監督は、緊張感のあるホラーシーンの連続ではなく、リラックスできるシーンも挟みたかったそうで、杉野が演じるトモヨの彼氏は、auの三太郎シリーズのCMの一寸役でお馴染みの前野朋哉という設定。
杉野は来年公開の『愛のまなざしを』では仲村トオルの彼女役を演じるなど、イケメンと並ぶと画になるというイメージだが、司会者に「前野さんの彼女役がこんな美女でびっくりした」と言われた杉野は、「そもそもイケメンと並んでも画にならないですけれど」と謙遜し、「実は桐山漣くんの彼女役を『群青色の、とおり道』という映画でやったことがあるので、『今回は漣くんの彼女役ではなくて、前野っちなんだ〜』という感じだったんですけれど、元々前野くんは役者として好きな役者さんで、いろんな映画で見ていた。(前野は)“華のあるゆるキャラ”で、華のある人の隣に入れてうれしかった」と話した。三津谷は、「前野くんの雰囲気は前野くんにしかできない、唯一無二の役者さん。最初は『えーっ』と思ったんですけれど、撮影中実際並んでいるのを見たら、それはそれでしっくりきました」と付け加えた。

本作の舞台は、病院が近くにない島という設定。杉野はトモヨ役については、「大学病院で働いている看護師という役だったんですけれど、ホラー映画の中で彼女一人が現実主義者という設定で、ホラー映画でよく見る『そんなのありえないよ』と言う役なので、どっしり構えるということを意識しました。」と話した。

杉野は広島出身だが、完成した映画を見て、フランス人の監督とカメラマンが撮った広島はどう映ったか聞かれ、「撮影場所は地元に近いところだったんですが、広島の地元民もわからない、『こんな海岸あったんだ』というような場所での撮影だったんです。夜になるとロマンティックでありながら、薄気味悪い雰囲気が捉えられているのが新鮮でした。長崎に行った時も感じたんですけれど、広島は原爆の影響で、祈りの雰囲気もあって、フランス人ならではの視点ではないか」と指摘。

杉野希妃

杉野希妃

本作の監督はフランス人ということで、日本の従来のホラー映画と違うが、本作の見どころを聞かれ、三津谷は「見て思うのは『ホラー映画です!』『恋愛映画です!』と一つの括りではなく、色々な要素が入っている。ラブストーリーでもありながら、ホラーでもありながら、4人でキャンプに行ってという青春っぽいっところもあるんです。日本ではなかなかない、ジャンル分けができない映画になっている」ことを挙げた。

杉野は、1番好きなシーンは、フランス人の監督ならではの、浜辺でローリングしながら“あること”をするシーンだと挙げ、「想像もしていなかったので、こういう演出をするというのにとても驚いた」と話し、「『海の底から』というだけあり、海の中で色々なことが起こっていくので、そこも見所だと思います」と話した。

最後のメッセージとして、三津谷は「いろんな要素が含まれた日本ではなかなかない作品になっているので、そこを楽しんでいただけたらと思います」、杉野は「何年も熟年された末の公開ですので、ぜひ気に入っていただけたら、広めていただけるとありがたいです」とメッセージを送り、初日舞台挨拶は終了した。

映画『海の底からモナムール』

セーラー服の幽霊には、やり残したことがある
“愛の国”フランス出身の監督が日本で描く、セーラー服の幽霊の純愛物語。

あらすじ
10年前、イジメに遭い、島の崖から飛び降りた女子高生・ミユキ(清水くるみ)は、「ただ愛されたい」という想いを抱き、17歳のままずっとこの瀬戸内海の浜にいる。
当時、ミユキが想いを寄せていたタクマ(桐山漣)は、同じく島出身のマツ(前野朋哉)に連れられ、それぞれの彼女・カオリ(三津谷葉子)とトモヨ(杉野希妃)と一緒に、卒業後初めて島に戻ることに。

その島では去年、かつて近所に住んでいた同級生のリカが溺れて死んでいた。「あの浜に行くな」と言う忠告を聞かず、浜でキャンプをする4人。夜、浜でミユキを見て、テントに駆け込むタクマ。海で泳いでいたカオリは、誰に足を引っ張られ、危うく溺れそうに。果たして4人は、無事に帰京できるのか。

出演:
桐山漣 清水くるみ
三津谷葉子 前野朋哉 杉野希妃

ロナン・ジル監督作品
脚本: ロナン・ジル    撮影: ドミニク・コラン
音楽: RONAN GIRRE & ASWEFALL
制作プロダクション: 和エンタテインメント、LES PRODUCTIONS CRESSAC
共同制作プロダクション: HD SYSTEM
配給: アルミード 協賛:広島マツダ、鉄板焼お好み焼き 元就
2017 / 日本・フランス / カラー / シネマスコープ / 5.1 / 84分 © Besoin d’Amour Film Partners

公式サイト:uminosoko-movie.com
Twitter:@uminosoko_movie
公式Facebook:@uminosoko.movie

特報

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海の底からモナムール

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