Cosmetic DNA

【藤井愛稀×仲野瑠花×川崎瑠奈 インタビュー】女性問題を通して大事な人への思いを。映画『Cosmetic DNA』

ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2020で北海道知事賞を獲得し話題を呼んだ映画『Cosmetic DNA』(10/9公開)で3人の主要キャラクターを演じる
藤井愛稀、仲野瑠花、川崎瑠奈に本作の魅力や自身のことについて話を伺った。

本作は、2020年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に突如現れると観客を熱狂、映画監督の清水崇・映画評論家の塩田時敏らをも魅了し北海道知事賞を獲得。《男尊女卑》に傷つけられた美大生が、コスメ(化粧)によって同じ悩みを抱える2人と出会い、復讐と《新世界の創造》へと突き進んでゆく物語には、女性のみならず「自分らしく生きたい」と願う人々からの共感の声が続出。ドイツ・ハンブルク日本映画祭へ正式招待されたほか、カナダのホラー映画・コミック評論家アダム・ジョン・シュマクや「孤高のカルト芸人」永野など各界からも絶賛されている。

コスメを愛する美大生アヤカ(藤井愛稀)が、「映画に出演してほしい」とナンパしてきた自称・映画監督の柴島(西面辰孝)に暴行を受け、泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれるも、大学院生のサトミ(仲野瑠花)とアパレル店員のユミ(川崎瑠奈)と出会ったことから、《復讐》と《私たちの未来》のための革命へと突き進んでゆく、痛快・新感覚シスターフッド復讐劇。

藤井愛稀×仲野瑠花×川崎瑠奈 インタビュー&撮り下ろしフォト

-まず最初に皆さんの自己紹介からお願いします。

■藤井愛稀

藤井愛稀(コスメ好きの美大生アヤカ役)
京都出身です。京都の大学で4年間、映画のことについて学びました。卒業したら東京に出て活動しようと思っていたのですが、卒業した後にちょうどこの作品の撮影がありまして、大阪での撮影がひと夏あるんだったら、半年間はそのまま関西に行た方がいいと思って京都に残りました。
撮影が結局、秋口まで延びまして、撮影が終わって一休みしてから「さぁ、東京に行こう!」と思ったらコロナ禍になってしまって。
最近ようやくいろいろと動き出したので、つい最近拠点を東京に移したばかりです。

Cosmetic DNA

藤井愛稀

-藤井さんは京都造形大の映画学科の9期生で、8期生には阪元裕吾監督(映画『ベイビーわるきゅーれ』)や、自身も監督をされる女優の辻凪子さんがいらっしゃいますよね。

藤井愛稀
お二人には、本当によくしていただいていて、阪元さんにはずっとお世話になっております。

-ミスiD2020のプロフィールに、「応募するときにギリギリまで悩みました」という話がありました。映画にもオーディションなど、応募する機会が多いと思いますが、どういった点に悩んだのでしょうか?

藤井愛稀
最初は応募するつもりはなかったんです。私が主演した『血を吸う粘土 派生』(2019)という映画にミスiDの子たちがいっぱい出ていて、それをきっかけにその主宰の小林司さんにフォローされたのでフォローバックしました。そのミスiDの締め切りの日にTwitterを見ていたら、「締め切りを延ばします」というのが目に留まって、これは応募するかなみたいな感じです。
なぜなら、『血を吸う粘土 派生』の撮影のときに、「ミスiDの人」と「ミスIDじゃない人」みたいな感じになっていて、そもそも「ミスiDって何だろう?」と思っていたので、「わからないなら、じゃぁ、自らなってみるか」と考えたからです。

-逆にオファーを受けた場合の出演判断はどうされてますか?

藤井愛稀
映画などの映像作品の依頼を受けたときは、まずその人がどういうものを作っているのかというものを見て、素敵だなと思ったらぜひ参加したいと思います。一番はその人の今回の企画・企画意図と、これまで作られてきた作品を自分が好きかどうか。本当にこれは自分がやるのが適しているのかという点を考えています。
「ある程度名前が出ているからこの人にお願いしてみよう」じゃなくて、「私の芝居を見て選んでくれた人なのかな」とか、そういうところで悩まさせていただいています。

■仲野瑠花

仲野瑠花(生殖工学を学ぶ大学院生サトミ役)
大阪出身、大阪在住です。今回のインタビューにあたって、昨日、東京に来ました。
演劇経験は小6からで、安藤サクラさんと松田優作さんが大好きです。自然だけど、何かこう面白さがにじみ出るようなところが好きです。

Cosmetic DNA

仲野瑠花

-仲野さんは、先日、ミスワールドジャパン京都大会で準グランプリを受賞されていますね。

仲野瑠花
たまたま紹介されて応募することにしました。「女優を目指す上で、そういうところにも顔を出して、いろいろ経験を積んだ方がいいよ」というように言われていたので、ちょうどタイミングがいいし受けてみようと思ったからです。

■川崎瑠奈

川崎瑠奈(アパレル店員のユミ役)
佐賀県出身で、高校を卒業してから「女優をやろう!」と思って東京に出てきました。現在の活動拠点は東京です。

Cosmetic DNA

川崎瑠奈

-川崎さんは最近、けいりんマルシェの「スマホで車券を買ってみた」という企画に参加されていて、実際に競輪の車券を購入した話を発信されていますね。

川崎瑠奈
「スマホで車券を買ってみた」は、競輪を全く知らない初心者の子が競輪の車券を買ってみようという企画です。それに参加させていただいています。
20歳から23歳ぐらいの女の子5人が、編集部からミッションとして「こういう券を買ってください」と言われるんです。私はそのレースの中で二重丸と丸が付いたものについて、それぞれ1位、2位で買ってくださいっていうミッションを頂きました。その条件さえクリアすれば、どこの場所のどのレースでも買っていいんです。
私自身、ギャンブルをやったことがなくて、競輪もテレビのチャンネルを変えて映っていたらたまたま見るっていうくらいでした。せっかくいただいたお話なのでそのミッションを今取り組んでいます。月に1回勉強会も開催されているので、そこで競輪のルールを勉強しています。車券の購入にあたっては、可愛かったりイケメンの選手がたくさんいらっしゃるので、選手の方々を見ながら購入しています。こういう機会がないと車券の購入をしないなと思っていました。私はめちゃめちゃのめりこんじゃうタイプで、ずっとやり続けてしまうので、ちゃんと決めて、本当に勝てると思った券だけを買っています。

■それぞれの役づくり

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『Cosmetic DNA』場面写真

-本作の撮影に入る前に大久保監督から「プライベートで遊んでください」という指令があったそうですが、3人でどういった遊びをしましたか?

藤井愛稀
川崎さんはキャスティングが一番最後で、途中からの参加だったので、それより先に、撮影は大阪だったこともあり私と仲野さんで、梅田でご飯を食べました。「プリクラを撮ってほしい」っていう監督からの指令があったのでプリクラを撮りました。
川崎さんとは撮影の初日に、3人で花火をしたり、アルプス一万尺をするシーンから入ったので、自然と打ち解けられました。

Cosmetic DNA

藤井愛稀

-コスメ好きの美大生アヤカ。生殖工学を学ぶ大学院生サトミ。アパレル店員のユミという、どの役も何かそれぞれに悩みや葛藤などを持っていたと思います。それぞれ、どんな人物だと捉えて、ご自身の演技に反映させていったか教えて下さい。

川崎瑠奈
ユミのプロフィールや性格に関して、「こういう形でやってください。」と提示されてやっていたんですけど、監督と読み合わせをしている時に、「ここについて自分はこう思うんですけど、どうでしょうか?」とか「ユミだと、スパッと言っているけど、何か傷ついているんじゃないですか?」と私から伝えてみたんです。すると監督から「確かにそうですね」と言っていただけました。「ユミは、顔では笑っているけど、心では悲しんでいる女の子」というのが私の印象としてあったので、元設定がある中で自分が感じたものを付け加えて、ユミを作り上げました。

Cosmetic DNA

川崎瑠奈

藤井愛稀
脚本には書かれていませんが、実はアヤカは滋賀県の田舎で育ったという設定で、琵琶湖の水汲み作業を日常的にしていたというバックボーンがあります。なので、人間の血の扱いにも長けている、という監督なりの理屈があったそうです。それが乗じて最終的にはアヤカは突飛なことをしてしまいます。
そして、コスメが好きっていうのも、モテるため、流行に乗るためとか、周りに馴染むとかそういうことではなくて、自分が綺麗だと思うものを追求する人だと思いました。
絵も描く子なので、自分が美しいと思って芸術を突き詰めている人なんじゃないかなとも思いました。元来、自分の志を持ち続ける強さがある子なんだろうなと思って、そこは共感できるところがあったのでそこから彼女に寄り添っていきました。

仲野瑠花
私も二人と同じように、とても細かいキャラクター設定をもらっていたので、そこに基づいてやっていました。
私の中でサトミは、やりたいことがあるんだけど、それが大人の力によって実現できなくて宙ぶらりんみたいな状態だと思っていました。そんな中、アヤカやユミと出会っていくうちに、これが私のやりたいことなんだというのが決まっていったんだと思いました。なので、それまでと自分のやりたいことを見つけたときの活力の違いを出せたらいいなと思いました。

Cosmetic DNA

仲野瑠花

■お互いの印象

-皆さん、それぞれのお互いの印象は?

川崎瑠奈
撮影中もプライベートや待ち時間も、ほとんど3人で、ずっと一緒にいることができました。初対面の相手だと、沈黙がつらくて頑張って喋ってしまう部分があるんですけど、私たちは初顔合わせでしたが、全然沈黙がつらくなくて、黙っていても一緒にいられるような関係でいられました。

藤井愛稀
初めましてのときの川崎さんは他人行儀な感じがすごかったです。撮影するときが初対面で、この後すぐ撮影始まりますというときにお会いしました。「初めまして!ユミ役の川崎瑠奈です!」と、気を遣いまくりの声での挨拶でした。

川崎瑠奈
私はいちばん後からの参加でしたので、2人の足を引っ張らないようにという思いがありました。

藤井愛稀
その直後の撮影が、さきほどお話しした撮影初日の花火のシーンなんです。そこで一気に心の距離も近くなり、打ち解けてきたと思いました。仲野さんと川崎さんは同い年で、誕生月が一緒なので、そういったことも距離を近づけることにつながったと思います。

Cosmetic DNA

『Cosmetic DNA』場面写真

-お二人とも、上映を控えた9月が誕生日ですよね。

川崎仲野
撮影中も9月を迎えて誕生日のお祝いをしてもらったよね。

藤井愛稀
撮影の中でも、川崎さんの誕生日は特に過酷な撮影日でした。昼から山奥でぶっ通しの撮影をしていて、その日の夜も翌朝の8時まで撮影が続いて。
寝る間もないままに3人で温泉に行って、その後もまた1日撮影があったんです。それが終わった時に、誕生日のお祝いとして、3人で食事に行ってピザを食べました。

川崎瑠奈
ケーキも出してもらいましたね。

藤井愛稀
そういう大変なことも一緒に乗り越えていきました。この映画のストーリーも辛いことを3人で乗り越えていく話なので、現実との二重構造になっている感じがします。

仲野瑠花
3人で自然にそういった感じになっていましたね。

川崎瑠奈
この3人は、わざわざ遊ぶ時間を作って仲良くなったっていうのはなく、自然に仲良くなれたと感じています。

藤井愛稀
ユミ(川崎瑠奈)も、元々の脚本上の設定だとあっさりしているような印象を受けていました。おしゃれで、辛い過去も抱えてはいるけど、他人に対しての興味が薄いような感じがしてたんです。
けれど、川崎さんがユミを演じてくれたことによって、人への優しさとか、愛を持っている、そういう人物像になっていました。かといって誰にでも心を開くというわけではないんですけど、人を好きではあったんだなとか、でも辛いことがあって、信頼できる人にしか心を開かないようになったのかなって思うようになりました。
愛っていうと大げさかもしれませんが、愛の方向性を私たちに注いでくれている感じがあって、姉御っぽい感じがしました。本来はアヤカ(藤井愛稀)がそういう立場なのですが、ユミがそういう心の支えみたいな感じでいてくれました。
仲野さんが演じるサトミちゃんは、アヤカの心の救世主みたいになっています。私自身が彼女に会った時に、とても救われたような感覚に陥ってそこから彼女を見たら安心するし、「サトミちゃんがいたら大丈夫だ」みたいな心の癒しを得られました。そして、ユミにあったら、「この人がいるから、まあ何とかなる」という気持ちが自然と生まれていったんです。

Cosmetic DNA

川崎瑠奈/藤井愛稀/仲野瑠花

■それぞれの“Cosmetic”事情

-作品タイトルに「Cosmetic」が含まれますし、アヤカはコスメを愛する美大生という設定です。そんな中、作品のエンドロールに、メイク・ヘアメイクが「出演者自身」だったり、小道具協力とか衣装協力にも3人の名前がありました。皆さんご自身は、メイクについてプライベートではどのようにされてますか?

藤井愛稀
私はコスメ好きのアヤカ役なんですけど、実はそんなにメイクが得意ではないんです。私自身が意外ときちんとしたことがわかっていないこともあり。
でも、メイクについていろいろ研究していらっしゃるのが、こちらの仲野さんで、メイク道具をたくさん持っていて、メイクの研究や練習をしているなと思いました。
劇中で出てくるコスメも仲野さんのものが多かったです。私が持ってきた小道具としてのリップも、そういうのがあったら、なんか良さそうだなと思ったものですが、実は母が使い終わったシャネルのリップでした。

Cosmetic DNA

藤井愛稀

川崎瑠奈
みんなで寄せ集めた感じだったよね。

Cosmetic DNA

川崎瑠奈

-メイクは、仲野さんが指導したのでしょうか?

仲野瑠花
指導とまでは(笑)

Cosmetic DNA

仲野瑠花

川崎瑠奈
みんなそれぞれですね。

藤井愛稀
川崎さんは自分でメイクがばっちりできていました。

仲野瑠花
一番うまいのが川崎さんだと思います。

-それはやはり、長い演劇経験からでしょうか?

川崎瑠奈
演劇でメイクをするので、小さい頃からずっと、母親のアイライナーを借りてメイクしていました。メイクが好きで、ずっとやっていたので、アイライナーは得意です。
ユミ役の募集要項に「メイクがめちゃくちゃ好きな人」と書いてあったので「メイクが好きだし、ちょっとやってみよう」というのが自分の中にあって、オーディションに応募しました。

-藤井さんからみるとメイクの勉強になったのではないでしょうか?

藤井愛稀
同じようにアイシャドウを塗っても、そんなに色付くんだなって思いました。

川崎瑠奈
(笑)

藤井愛稀
私はメイクをしていても友だちに「今日、スッピンだよね」って言われるんです。メイクが薄すぎて。

川崎瑠奈
素がいいから。

藤井愛稀
撮影のときも一応赤いのを色々つけているんですけど、それでも監督に「もっと濃くできませんか?」と何度も言われたんです。「あ、そんなに塗るんだ!」と思いました。

川崎瑠奈
もっと濃くしていいんですよ。

藤井愛稀
「めっちゃ濃くしてください」って言われたので、ガンガンつけていきました。

-今、川崎さんからアイライナーをひくのがうまいという話がありましたが。仲野さんはいかがですか?

仲野瑠花
当時の私はメイクとかあんまりわかっていなくて、多分、眉毛もすごいんですよね。サトミの眉毛って、しっかりとした太眉で、役的には合っているんですけれども。今の自分から見ると、この時期は下手だったなって思います。

▼お気に入りコスメ

-お気に入りのコスメと理由を教えてください。

仲野瑠花
安いですけど、最近はexcelのファンデ。

川崎瑠奈
安いのか~?(笑)

仲野瑠花
好きな理由はやはりすごい発色が良い点です。特にアイシャドウとか。ちょっと塗るだけでも舞台映えするので、メイクさんでもexcelを使っている方が多いです。プチプラ(プチ+プライス)でもやっぱりすごいんだなと思いました。

川崎瑠奈
私は、メイベリンのマスカラが好きです。
私はまつげをピシッとあげるのが好きなんです。ボリュームと長さを出せる一番いいマスカラがこれですね。それでもそんなに高くない1000円台のマスカラです。

藤井愛稀
メイクに含めていいかわからないですけど、私は肌が強くないので、ナチュラグラッセという肌に優しいファンデーションとか基本的にそれで揃えています。ただアイシャドウだけは友人にもらったシュウウエムラのをずっと使ってます。

川崎瑠奈
それ、いいやつですよ。

■撮影を振り返って。

Cosmetic DNA

『Cosmetic DNA』場面写真

-今回の3人の中では、仲野さんはお芝居の経験が少なめだったということですが、他の2人からアドバイスを受けたり、影響を受けた部分はありましたか?

仲野瑠花
影響を受けた部分は、(藤井愛稀さん演じる)アヤカの目つきですね。普段の藤井さんは、ホワンとしていてかわいい感じなんですけど、アヤカになった瞬間、目つきが変わってそこは自分も見ていてすごい楽しかったです。これは学ばないといけないっていうところがあって、本当にその切り替えがすごいなと思いました。
ユミさんは、普段からもそうなんですけど、演技でもちゃんと包み込んでくれました。セリフじゃないように聞こえてくるので、何度も助けてもらいました。セリフではあるんですけど、普段からこんな喋りをしてるんだろうなっていう気持ちになりました。

藤井愛稀
仲野さんからそんな風にいわれると恥ずかしくなってしまいますね。
そんなに切り替えられたんだなと、今回の撮影のとき本当に思考の元みたいなところがアヤカに引っ張られていました。アヤカはキレやすいとかそんなことはないんですけど、些細なことでもイラッとしたりとかする癖が私自身についてしまって、言葉遣いが日常でも少し粗めになりました。

川崎瑠奈
よくセリフの後に「あら、失礼しました」って言ってたね。

藤井愛稀
ちょっと口が悪い言い方をしたら、「あ、失礼しました」って言っていました。
失礼な言い方を平気でしてしまうような精神状態になっていて、今回初めて役に引っ張られるっていうのを経験しました。
撮影に入る前に髪を染めたんです。そういった切り替えのために必要だったのかわからないんですけど、家で暴れた日がありました。本当に些細な何かで母と衝突してそこからめちゃめちゃ何か物を壊しそうな勢いで暴れて、もう本当に自分の精神状態が理解できませんでした。そういうことから始まりました。
アヤカも日常は、ちゃんと会話できるときはできているし、常にそういうわけじゃないんですけど、衝動的な何かを自分に落とし込んだのかなとか、そこまでやらないと、あそこまで振り切れなかったのかなとか思っています。
先ほど仲野さんが言ってくださっていた目つきについては、映像の芝居では常々気をつけていることであって、私とアヤカの違いとしても表情も絶対違うだろうなと思っていました。アヤカの精神状態に寄り添ったら自然とそういう顔つきになるという感覚が自分にあったので、それがちゃんと表に出せていたんだなと思って、ちょっと嬉しいです。

-川崎さんはこれまでの活動のメインが舞台なんですよね?

川崎瑠奈
はい。ずっと舞台をやってきて、2年前ぐらいから映像のお仕事をやり始めました。舞台だとステージがあって、お客様の前に自分が立って観てくださいっていう感じなんですけど、映像だとカメラが寄ってきて、また去るといったことが多く、心の持って行き方がわからずに戸惑ったり、どうしたらいいんだろうというのがすごいありました。
それまでの経験で、カメラがあって芝居をするということがなかったので慣れなかったんです。だから撮影に入った日は、花火のシーンが終わって、セリフがあるシーンがあったところで、私ばかりNGを出しちゃってすいませんでした。夜中3時とか4時とかで、頭が回らないということもありましたが。

藤井愛稀
でもその後は全然そんな感じはなかったですね。そんな戸惑いを感じているとは思いませんでした。

川崎瑠奈
そういったことがありましたが、2人が何か引っ張ってくれて、「どうしよう…」っていう私の心を慰めてくれました。それは、言葉ではなくて、二人がいてくれたからです。そのおかげで「よし!」って戸惑いが消えて、カメラがあることを意識せず、芝居としてちゃんとできました。

■最後にメッセージ

-最後にこれから映画をご覧になる方へのメッセージをお願いします。

川崎瑠奈
映画の中のキャラクターと同じく、私たち3人も初めて会って、一緒に時間を過ごすと共に仲良くなりました。撮影を通して絆が深まったっていうのは、劇中の3人とリンクする部分です。
今は配信があるから、遠くにいる人でも観られる手段があると思いますが、私はずっと舞台をやってきていて、舞台って足を運んでいただかないと観られないものだと思っています。映画だと、1回の上映で多くの方に観ていただけるし、是非劇場でこの作品を多くの方に観ていただけると嬉しいと思っています。

仲野瑠花
このご時世ということもあって、映画館に来るのも大変だと思うのですが、劇場の換気はしっかりしているので、そこを踏まえた上で、この映画を劇場で観てほしいと思います。この映画では社会問題も描かれていますが、それを楽しく面白く観られる感じにはなっていると思います。登場人物たちのいろんな感情を汲み取っていただきたらいいなって思います。

藤井愛稀
過激な描写が目にいきがちの映画ではあるのですが、ベースは人と人との話だと思っています。
さきほど仲野さんが言った「社会問題の描写」について、本作では、女性問題に関する点が目立ちますけど、自分が大事にしたいなって思う人を大事にしていたらそういうことって起こらないと思うんです。そういう点を感じ取っていただきたいと思いますし、私自身、一番考えが改まったところがそこでした。
もちろん過激な描写もある一方、ミュージックビデオのようなポップで可愛いシーンもあります。
今は大変な時期ですけど、だからこそ映画館に足を運んでいただいて、映画館さんにもこの作品が何かの助けになればと思います。
もちろん、観てくださる方の心の救いにもなればいいですし、一休みしに来ていただけたら嬉しいなと思っています。

Cosmetic DNA

川崎瑠奈/藤井愛稀/仲野瑠花

■撮り下ろしフォトギャラリー

[聞き手:金田一元/写真:桜小路順]

■プロフィール

藤井愛稀(ふじい・いつき) /東条アヤカ役
1996年生まれ、京都府出身。京都造形芸術大学(現・京都芸術大学)映画学科卒業。
出演作に『嵐電』(鈴木卓爾監督/第11回TAMA映画祭最優秀作品賞、第34回高崎映画祭最優秀作品賞) 、『特撮ドラマシリーズ FUGA』(タケウチユーイチ監督/田口清隆監督主催 「第11回自怪選」優秀賞)、主演作に『血を吸う粘土〜派生』(梅沢壮一監督/シッチェス映画祭正式出品作)、『West End Girls』(片岡大樹監督/国際短編映画祭SSFF&アシア2020観客賞)がある。その他、多数のMV出演や商店テーマソングのメインボーカルも務める。
第2の長編映画主演作となる『Cosmetic DNA』では、コスメを愛する美大生・東條アヤカ役に挑戦。「男尊女卑」がはびこる世界に破壊と革命をもたらすため行動する女性の姿を快演した。

仲野瑠花 (なかの・るか)/西岡サトミ役
1998年生まれ、大阪府出身。
幼少期に参加した市民参加劇「みのおキッズシアター」をきっかけに表現に興味を持つ。その後、テレビドラマ・映画などのエキストラを経験し、大学在学中は「タテヨコ企画」主宰の横田修氏の元で演劇を学ぶ。2018年に『I swear』(奥本はじめ監督)で初の短編映画に出演した後、『銀河旋律』(村澤智弘演出)など舞台作品にも出演。現在はメモリプレイやモデル、舞台や映像などで精力的に活動している。
長編映画デビュー作となった『Cosmetic DNA』では生殖工学を学ぶ大学院生・西岡サトミ役を務め、アヤカとユミとの出会いを通じて「未来」を創ろうと奮闘するサトミを演じ切った。

川崎瑠奈 (かわさき・るな)/松井ユミ役
1998年生まれ、佐賀県出身。
初舞台は、8歳。佐賀東高校演劇部卒業後は「劇団青年座」養成所へ入所。その後は東京で時代劇、現代劇等主に舞台女優として活動しており、最近では、CM、webドラマなど映像にも活動の幅を広げている。
『Cosmetic DNA』ではアヤカ・サトミと出会うアパレル店員・松井ユミ役を演じ、自身の幸せや愛について悩むユミの心情を繊細に表現する。

映画『Cosmetic DNA』

INTRODUCTION
《男尊女卑=理不尽》な世界なんてもういらない!称賛の声続出の痛快・新感覚シスターフッド復讐劇!
2020年、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭に突如現れると観客を熱狂、映画監督の清水崇・映画評論家の塩田時敏らをも魅了し北海道知事賞を獲得。《男尊女卑》に傷つけられた美大生が、コスメ(化粧)によって同じ悩みを抱える2人と出会い、復讐と《新世界の創造》へと突き進んでゆく物語には、女性のみならず「自分らしく生きたい」と願う人々からの共感の声が続出。ドイツ・ハンブルク日本映画祭へ正式招待されたほか、カナダのホラー映画・コミック評論家アダム・ジョン・シュマクや「孤高のカルト芸人」永野など各界からも絶賛されている。

新世代を担う異才が集結!ミスiDファイナリスト俳優・藤井愛稀×新人監督・大久保健也
14歳から映画制作を続けてきた大久保健也監督が、偏愛的映画美学を注ぎ撮影当時24歳で作り上げた劇場デビュー作!主人公アヤカを演じるのは『血を吸う粘土~派生』主演で知られる藤井愛稀。長編主演第2作となる本作では、型破りな物語世界に真っ向から挑み、新境地を開く!そして胡散臭い自称映画監督・柴島役を、本作と『令和対俺』で注目を浴びる西面辰孝が務めた。若き異才達が魅せる次世代インディペンデント・ムービー今、解き放たれる!

STORY
コスメを愛する美大生・東条アヤカ(藤井愛稀)は、ある時「自分の映画に出演してほしい」とナンパしてきた自称・映画監督の柴島恵介(西面辰孝)に薬物を盛られ暴行を受ける。
泣き寝入りせざるを得ない状況に追い込まれ精神的に病んでいくアヤカだったが、大学院生のサトミ(仲野瑠花)、アパレル店員のユミ(川崎瑠奈)と出会ったことで少しずつ自身の心を取り戻していく。
しかし、柴島の次なる標的がユミであったと知ったアヤカは突発的に柴島を殺害してしまう。愛と友情、そして破壊の先の未来とは?アヤカ・サトミ・ユミの「私たちの未来」のための革命が始まった……。

出演:藤井愛稀、西面辰孝、仲野瑠花、川崎瑠奈、吉岡諒、石田健太
監督・脚本:大久保健也
プロデューサー:西面辰孝、大久保健也
製作:穏やカーニバル
ポスタービジュアル:najuco 宣伝デザイン:NORA DESIGN
配給:Cinemago 配給協力:Giggly Box
販売元:オデッサ・エンタテインメント
2020年/日本/109分/DCP/カラー/16:9/ステレオ
公式サイト:https://cosmeticdna.net/
公式Twitter:@cosmeticdna
公式Facebook:@CosmeticDna

2021年10月9日(土)よりK’s cinemaほか全国順次公開

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