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本編上映前の楽しみ“オマケ映画”とは?その魅力を語る。

映画本編上映前に、CMでも予告編でもなく、れっきとしたひとつの映画作品として上映される“オマケ映画”と呼ばれるショートフィルムをご存知だろうか?
それを楽しみとするファンも増えてきている中、“オマケ映画”を製作している映画監督、そして俳優・片桐はいりがその魅力を語るトークイベントが、1月19日、横浜で行われた。

トークイベントは、現在、横浜シネマリンにて開催中の「ライフワークス特集上映」の一貫として。「ライフワークス」とは、その“オマケ映画”を製作する「ヨコハマ」発のプロジェクトで、プロデュースを行っている横浜在住の映画監督、利重剛氏と中村高寛氏が登壇。
そして、ゲスト登壇したのが、俳優・片桐はいり。実は片桐も、『もぎりさん』シリーズという“オマケ映画”を製作・出演し、キネカ大森(東京品川)で上映するという活動を行っている。
片桐はいりと利重監督は、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」で夫婦役を演じたことがあり、中村高寛監督は、デビュー作となるドキュメンタリー映画『ヨコハマメリー』(2006)は今なお、日本のみならず海外でもリバイバル上映が続いている。
そんな、横浜と東京で“オマケ映画”を作り続ける彼らが、“オマケ映画”に込める思いなどを語った。

“オマケ映画”の魅力と楽しみ方

ライフワークス

利重剛監督、片桐はいり、中村高寛監督

▼横浜の消えていく風景を映したアーカイブに。- ライフワークス

さまざまな映画監督により、複数のタイトルがこれまで製作されている「ライフワークス」シリーズ作品は、どれもが横浜を舞台とする物語。
上映館は、横浜シネマリンとシネマ・ジャック&ベティの2館。上映タイミングは、1日1回で、月単位で新作に切り替わる。どの本編作品の前に上映されるかは、劇場に任されており、時間帯を変えたり、本編作品内容との組み合わせを考慮して決められる。

利重監督は、「ライフワークス」では、フィクションっぽいリアルなもの、(横浜の)土地とつながった映画を目指しているという。「映画にはいろんな機能があり、現実が辛い状況でも横浜は気を楽にする。横浜は海に面しているから、もしも何かがあったら逃げてしまえばいいやと、気が済むところがある。」と語った。

Life works

利重剛監督

そんな「ライフワークス」の作品を観た片桐は、「映画と横浜の街が地続きな作品で、自分が横浜の劇場で、横浜の風景を映した映画を観ると、今、自分がどの場所や時間の中にいるのか、とても不思議な気持ちになる。」と感想を述べ、そして、「(香港映画を)横浜で観て、劇場の外に出ると、そこには中華街があった。香港映画に限らず、横浜はどこか劇的な磁場があって、現実に引き戻されずに、映画との地続きを感じたまま、日常じゃない所にいられる楽しさがある。」と振り返った。

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片桐はいり

それを受けて利重監督は、「ライフワークスは、「横浜のどこかで繰り広げられたに違いない、あの場所だなと思える場所と時間を切り取った映画。」と説明した。
中村高寛監督は、「(かつて神奈川の映画館で本編の前に上映されていた)神奈川ニュースは、今、見直すと、昔の横浜の記録映像としての価値があって、ドキュメンタリー映画を作るときには、アーカイブとして使われている。そこには当時の街並みや文化、風俗が残されているからです」、「ライフワークスの映像も、横浜の消えていく風景を映したアーカイブの一つになれば良い。」と話した。

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中村高寛監督

▼街の小さな映画館が元気になるように。 – もぎりさん

片桐自身が主演を務める『もぎりさん』シリーズは、2018年に、映画館スタッフたちの映画愛、映画館あるあるをキネカゆかりの映画人たちによって映画化されたショートムービー。
本編上映前に上映されるスタイルは、「ライフワークス」と同じだが、上映館は、キネカ大森にて先行上映後、テアトル系劇場などでも公開されることがある。上映のタイミングは、定められた期間中、すべての映画の予告編部分に追加されている。
タイトルの『もぎりさん』の由来は、キネカ大森と30年以上の付き合いとなる片桐はいりが、キネカ大森へ映画鑑賞に通いつめる中、ある時から、劇場側スタッフとして、チケットの“もぎり”をするようになった縁から。
映画と映画館、映画好きな人々の素敵な関係を描きつつ、キネカ大森に限らず「街の小さな映画館が元気になるように!」との願いを込めた作品だ。

また、『もぎりさん』に込めたもうひとつの想いとして、映画館に来た方々に、サプライズやプレゼントが出来たら良いという考えもあると片桐は語る。それは、片桐が子どもの頃、4コマ漫画のサザエさんを楽しみにして新聞の契約を両親に頼んだように、作品自体を楽しみにお客様が映画館に来てくれるようにとの願いからだ。

なお、キネカ大森のヘビーユーザーだという片桐は、現在も同劇場でもぎりをすることがあり、その姿に驚いた来場者から「なにかのイベントですか?」と質問されることもあるという。

【参考】『もぎりさん』第1話

▼「映画館でしか観ることができないものを届けたい」

このように、“映画館でしか観ることができないものを届けたいという気持ちから作品が作られている”点は、「ライフワークス」と『もぎりさん』の共通点とも言える。
なお、作品の上映時間についての話になると、片桐は「初期の作品では2分半でしたが、何度も観る方には長すぎると考えて、2作目(session 2)から2分になりました。」と説明。
利重監督は「ライフワークス作品の上映時間は、5分から15分まで様々。ただし、上映時間の長い作品では、本編を観に来たお客様がその長さに(この作品は一体何なのかと)ざわつくことがある(笑)」と語った。

Life works

利重剛監督、片桐はいり

▼将来、「ライフワークス」と『もぎりさん』のコラボが!?

最後に改めて、「ライフワークス」の撮影地・横浜について、利重監督は「横浜は何でも撮れる。古い街・新しい街、中華街やドヤ街などがある。いろいろな人たちがいて、何でも揃っているので、そこに住んでいる人や、観光客も含めどこでも撮影することができる。」と語ると、中村監督は、「(開港した160年前に)横浜は他者が集まってできた街。歴史とか伝統がなかったおかげで新しい文化が生まれていったのだと思う。」と、横浜の独特な街の成り立ちについて述べた。
さらに利重監督が片桐はいりに、「『もぎりさん』は大森の宝だけど、横浜でも『もぎりさん』をやってほしい。横浜まで流れてこないかな?」と問いかけると、片桐は「いいですね!流しのもぎりさん。」と応え、会場からこのコラボレーションを歓迎する大きな拍手が沸き起こった。

Life works

中村高寛監督、片桐はいり、利重剛監督

「ライフワークス」特集上映

第2期(2016年8月〜2017年1月)、第3期(2019年1月〜6月)に上映された珠玉の12本がまとめて観られる絶好のチャンス。
連日、イベントが開催。詳細は公式サイトまで。

1月18日(土)〜1月24日(金):横浜シネマリン
1月25日(土)〜1月31日(金):シネマ・ジャックアンドベティ
連作ショートフィルム「ライフワークス」公式サイト:http://lifeworks-film.com

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