「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

ツートライブ「人生に優勝はないと思ってた」「亡くなった父に生前チャンピオンやと」『THE SECOND 2025』優勝者記者会見

2025年5月17日、結成18年目の漫才コンビ「ツートライブ」(たかのり、周平魂)が、「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」で見事優勝を果たした。大会の模様が生放送されたフジテレビ系列の番組終了後、フジテレビ本社メディアタワーにて優勝者記者会見が行われた。

優勝者会見レポート

会見の進行を務めたのは、フジテレビアナウンサーの小室瑛莉子。そして、大会の初代王者であるギャロップ(林健、毛利大亮)。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

小室瑛莉子(フジテレビアナウンサー)/ギャロップ(林健、毛利大亮)

優勝したツートライブが会見会場に登場すると、ギャロップの毛利が「三代目王者です!」と高らかに叫んだ。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

ツートライブ(たかのり/周平魂)

優勝直後の率直な心境を問われると、周平魂は「オシッコしてタバコ吸いたいですもん」とコメント。たかのりは「泣いているときは訳がわからなくて、ウワーってなりましたね」と、感極まった瞬間を振り返った。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

ツートライブ(たかのり/周平魂)

今大会から新設された副賞「ドリーム賞」として贈られる「フジテレビ系列22番組出演権」について言及されると周平魂は「いや、ちょっと厳しいっすね」と本音を漏らし、「めっちゃ嬉しいんすけど、いきなりなので準備がまだできてない状態で不安すね」と、戸惑いを隠せない様子だった。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

周平魂(ツートライブ)

たかのりも「僕ら、優勝する準備なんか正直してなかったですからね」と話し、「芸人人生で優勝なんてないと思ったん。僕自分がチャンピオンになる人生なんかあるんやっていう驚きでもう意味わかんないです。ほんまに」と、自身の優勝が信じられないといった心境を語った。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

たかのり(ツートライブ)

ネタ作り担当の周平魂は、今回の決勝で披露したネタについて問われると、「1回戦でやらせてもらったネタは昨年、ツアーとかでミルクボーイさんとか、金属バットさんとかデルマパンゲさんとかその4組で回らしてもらってる中でいい感じやったものの一つなんです」と、これまでの活動の中で生まれたネタであることを明かした。
そして、ネタ選びの方法については、「ネタをイヤホンで聞きながら歩いてて、何の気なしに流れてくるやつで1番笑ろったんが1本目でした」と、意外なエピソードを披露した。さらに、「もう1本やりたかったネタは放送前にNGになったんですよね」と、放送コードの関係で断念したネタがあったことも示唆した。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

グランプリファイナルの第一試合で高得点(295点)を獲得し勝利した際、たかのりが涙ぐんでいるように見え、周平魂も感情的になっているように見えたことについて、記者がその時の気持ちの変化や、その後の試合に向けてどのように立て直したのかを質問した。
たかのりは、自身の目標設定について「以前から、目標を聞かれるとまずグランプリファイナルに出ること、そして出られたら一回戦に勝つことだと答えていました。そのため、第一回戦で勝利したことが、僕の中でその時点での目標達成であり、優勝したかのような嬉しさがあったんです。」と振り返った。特に295点という高得点が出たことで、「うわあ」と感じ、「優勝したやん」というほどの嬉しさがあり、それが涙につながったと述べた。
その後の気持ちの切り替えについては、一旦楽屋に戻って落ち着き、「次は、次の試合に勝つのを目標にしよう」と切り替えたと語った。たかのりにとっては、この切り替えがさらに緊張するのではなく、むしろ落ち着くことに繋がったという。

たかのりは、優勝した今の状況が「意味わからん」「わけがわからない」という状態で「夢うつつのようでふわふわしている感じ」のようだとも表現。周平魂も、決勝戦では「ほんま楽しく1本でも多く漫才ができたらええな」という空気感でしか思っていなかったため、最後にチャンピオンと言われてもまだピンとこない、「ありえないです」とも語った。
また、たかのりは、準決勝が終わった時点で、他の大阪勢のコンビが舞台袖に来てくれたことに感動して泣きそうになって、「今日は良かったな」と思って決勝戦は楽しく漫才しようと思って出たと話した。
そして、決勝戦での勝利は、第一試合のような目標達成の嬉しさというよりは、優勝を全く予期していなかった中で、突如として現実となった「チャンピオン」という状況への衝撃と、それに伴う実感が伴わないことへの困惑が入り混じった感情からくるものであること。そして、決勝では勝敗に関係なく好きなネタをやろうと考えていたため、優勝がより一層予想外の出来事であったことが感情の爆発に繋がった。
周平魂は、決勝戦でで勝利した後、たかのりが泣いているのを見て、「泣けんねや」と客観的に見ていたと話したが、自身もネタをやっている時は何も分かってなく「うわあってなりました」と語った。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

続いての記者からの質問で、グランプリファイナル進出決定時のたかのりの発言「僕たちの漫才が面白いと思ってくれる人がいるんです」に触れられ、18年間の芸人人生、劇場での活動、そして賞レースへの思いについて質問があった。たかのりは「劇場では、もちろんウケることもあるし、スベることもあるけど、基本はずっと劇場だけでやってるけど、賞レースってなったら、受け入れられるかっていうのがちょっと不安でしたね」と、劇場と賞レースの違いにおける不安感を語った。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

今回なぜ優勝という結果が出たのかについて問われると、周平魂は「漫才の形は変わってきてますけど、毎月単独やり続けてる中、バカなことに焦点を絞って18年やり続けてきたことが評価してくれたのが嬉しかったです。」と自己分析した。ただ、たかのりは、「まあでも今日はもう運です。ラッキーですね」と謙虚に締めくくった。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

そして、優勝賞金1000万円の使い道について問われると、周平魂は、「先日亡くなった父のお墓を作りますわ」と答えた。父が亡くなった際、母との会話で「優勝したら俺が墓を作るわ」と大口を叩いていたが、それが現実になったと感慨深げに語った。、
同時に、大学時代から言っているという、1万円札を燃やしてみたいという冗談も口にしたが、たかのりやギャロップの2人から「ダメです。それ違法や」と制されていた。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

一方、たかのりは、優勝するとは思っていなかったため、真剣に使い道を考えていなかったとしながらも、「現行の一番いいiPhoneを買います!」と答えた。

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続けて、記者から周平魂へ「お父さんのお墓にはどういうメッセージを刻みますか?」という質問が続くと、周平魂は、亡くなる間際のお父さんとの非常に個人的なエピソードを語った。
「ガンだったお父さんが入院先で動けなくなり、トイレまで連れて行った時のこと。その際、お父さんの尻を拭いていると、お父さんも少し恥ずかしかったのか、「お前はもうチャンピオンだよ」と言ったと振り返った。そのとき周平魂は、その状況で「これ何のチャンピオンやねん?」と思ったとも述べた。その上でお墓にはメッセージを刻むというよりは、「お父さん、死んだんだね。そこから僕を見守ってね。僕がこうして手を合わせに来るとこをちゃんと作りましたよ」という気持ちだけを込めたいと話した。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

続けて記者から「今後、どんな芸人を目指したいか?」と問われたツートライブの二人は、それぞれの思いを語った。
周平魂は、サッカー選手の三浦知良選手がベテランになっても同じことをやり続けている姿に心を動かされたエピソードを挙げ、「自分たち2人でずっと(漫才を)変わらずやり続けられれば、もうそれででもええわっていう感覚になれました。」と述べ、ブレずに漫才をやり続けること自体を大切にしたいという考えを示した。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

一方、たかのりは、「チャンピオンってなったらなんかずっしりする感じになるけど」と前置きしつつ、「でも僕らは、やっぱり、イジられてなんぼなんですよ。芸風的にも」と、自分たちの芸風に触れた。後輩や先輩にイジられても「それを返していく感じの面白さ」を追求したいと話した。特に「オールザッツ漫才なんかもう毎年スベってしまって、スベってることでミスターオールザッツって呼ばれて」いることを挙げ、*それはもう変わらず僕らのウリなんで(笑)」と語り、「漫才ができれば楽しい」というスタンスを今後も貫く意向を示した。

「THE SECOND~漫才トーナメント~2025」優勝者記者会見

ツートライブは、グランプリファイナル一回戦で出した295点が、過去最高得点記録となった。結成から優勝までの最短記録も18年で、第3回大会(2025年)での記録となる。
会見を通じて、優勝の喜びと共に、長年の活動が報われたことへの感動、そして突然手にした栄光への戸惑いなど、彼らの率直な気持ちが伝えられた。副賞の22番組出演権を前に「ふわふわ」を宣言したツートライブの今後の活躍に注目が集まる。

 

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■フォトギャラリー

[記事・写真:三平准太郎]

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