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中学生の少女を10年間かけて撮影。塚田万理奈監督映画『刻-TOKI-』のクラウドファンディング第1弾スタート

初長編映画『空(カラ)の味』で、「第10回田辺・弁慶映画祭」でグランプリをはじめ4部門を受賞し、テアトル新宿ほか全国で劇場公開され注目を集めた塚田万理奈監督が、長編2作目となる『刻-TOKI-』を「16ミリフィルムで10年かけて撮影する。」と決意を表明し、クラウドファンディングプロジェクトをスタートした。

29歳の新鋭・塚田万理奈監督の新作で長編2作目となる『刻-TOKI-』は、監督の実体験をベースに、主人公の中学生が大人になるまでの、10年間の物語を映画化する作品となる。塚田監督の出身地である長野で映像ワークショップを開催し、そこで出会った同市内の学校に通う地元の子どもたちが主役で、10年間一緒に映画を作っていくという。

クラウドファンディングは3回に分けて実施

映画制作に必要な資金を集めるためのクラウドファンディングプロジェクトは、MotionGallery内にて、10年間で必要な製作費7,000万円のうち、2021年、2025年、2029年の3回に分け、毎回4ヶ月間、1千万円を目標として、合計3千万円目標のクラウドファンディングを実施する計画となっている。3回に分けたのは、映画は10年かけて撮るものの、クラウドファンディングをひとつのプロジェクトで10年間継続させるのは困難の判断から。
製作費7,000万円という金額の多くを占めるのが「16mmフィルムで撮影・現像しデジタルスキャン」の費用。16mmフィルムで撮影することにしたのは、デジタルカメラの進化が早い今の時代、10年後が今と同じとは限らないと塚田監督が判断したため。確かに、アナログ撮影しておけば、10年後であっても20年後であっても、その時の最近デジタル技術でスキャンすれば、その時のフォーマットに最適化しやすいとも言える。

第1弾は1月11日からスタートしており、支援者には、『空(カラ)の味』(第10回 田辺・弁慶映画祭弁慶 グランプリ・女優賞・市民賞・映検審査員賞)や『還るばしょ』(第8回田辺・弁慶映画祭で文化通信社賞を受賞した短編)のオンライン視聴権や試写会&報告会への招待などがリターンとして用意される。

クラウドファンディング第1弾スタートに合わせて、1月11日、キックオフイベントとして、関係者向けに『刻-TOKI-』のパイロット版として制作した塚田監督の新作短編『満月』(Spain Moving Images Festivalで最優秀アジア短編賞受賞)の限定オンライン上映会&説明会が実施され、塚田監督は映画制作への想いとして次のように語った。

塚田万理奈監督
10年かけて映画を撮るなんて無謀だね、大変だねと思う人はいるかもしれませんが、私は妥協をする方がむしろしんどいし、一生後悔すると思います。10年やりきることもしんどいかもしれないけど、完成させた時に私は全部の辛さやしんどさに勝てるぐらい、妥協がなかったと言えると思っています。
映画に関わる人たち全ての人生の記憶のように描けたらと考えていて、自分の中にない記憶でも人生や時間を過ごすことって美しいことなんだとみんなが思えるように考えた脚本になっています。
私が10年後に『刻』を見せるから待っていてと言えるきっかけになると前向きに思って、クラウドファンディングを始めようと思いました。

■クラウドファンディング企画概要(クラウドファンディングページより引用)

私達の少年少女時代の友人たちは、それぞれ色々な人生に向き合いながら生きています。皆さんも今でも美しい時間を一緒に過ごした仲間の一人が「生きていたらいいな」と思う事はないでしょうか。「撮りながら、周囲の人と、自分自身と、時間を超えて付き合ってみたい。生きることに賭けてみたい」という塚田監督の想いが詰まった実験的で挑戦的な作品になります。

そして監督が過ごした長野で、実際に中学生の子供達が成長するのに付き合いながら撮影をします。作品の為に合わせるのではなく、10年かけて生きている人に沿って撮ります。

主人公の小春、陸上部の山梨と高杉、引きこもりの従兄弟の健、個性的な同級生たちがそれぞれの困難に翻弄されながらも、成長していくストーリーです。実際にキャスティングする子供たちの状況に合わせて、ストーリーも変化していくと想定しています。

又、デジタルと違い進化し続けるのもではなく、どんなに時がたっても変わらず「なまもの」であり続けるフィルムのあり方に私たちは共感しており、この作品にはフィルムがふさわしいと思っています。難しい挑戦にはなりますが、10年間16mmフィルムで撮影します。

映画『刻-TOKI-』クラウドファンディング第1弾:https://motion-gallery.net/projects/toki

映画「刻-TOKI-」

映画『刻-TOKI-』

普通の中学生の少女が、友人や家族などの人々と成長していく中で、生死を感じ、人生の美しさを知っていく約10年間のストーリー。

【あらすじ】
中学二年生の春、小春は所属する陸上部の仲良し二人組の男の子と、いつも一緒にふざけては遊んでいた。小春の家族には、音楽に没頭する憧れの姉や、不登校気味の従兄弟、その従兄弟に頭を悩ます叔母がいる。受験期になり、それぞれの関係性が少しずつ変化する中、小春は中学を卒業する。
高校生になり、成長していく中で違う道を進み出す小春の仲間たちの人生。大人になり、小春は中学時代の友人と再会する。生死すらも超えていくその時間の中、ただ傍観者だった小春の、それでも忘れなかった時間。
人生の美しさを見つめた、誰もが持っている記憶のような、約10年間の人々のお話。

【監督】
塚田万理奈
1991 年長野市生。短編『還るばしょ』がPFF 入選、田辺・弁慶映画祭文化通信社賞受賞、うえだ城下町映画祭自主制作映画コンテスト審査委員賞受賞、福井映画祭入選し、初長編『空(カラ)の味』が田辺・弁慶映画祭で弁慶グランプリ・女優賞・市民賞・映検審査員賞と史上初の4 冠に輝いた29 歳の若手女性監督。

【プロデューサー】
今井太郎
ロサンゼルスで映画製作を勉強。帰国後サラリーマンとして働く傍ら、MotionGalleryで集めた資金で自主制作映画『山本エリ「復元可能性ゼロ」と化す』を製作し、劇場公開及びAmazonでの配信を果たす。2016年には大阪のCO2が助成する藤村明世監督『見栄を張る』を製作、国内外多数の映画祭で上映され、2018年に国内とタイで一般劇場公開された。日韓合作映画『大観覧車』では 制作協力だけでなく初めて劇場配給にも挑戦した。その実績が評価され EAVE Ties That Bind, Busan Asian Film School、 Talents Tokyo、Rotterdam Lab、Asia Pacific Screen Lab、SEAFIC x PAS等、多数の国際共同製作プログラムに参加。現在は国内のみならず海外の若手監督と組み、主要国際映画祭を目指したアートハウス映画の企画開発に注力している。

【キャスト】
主役になるのは、長野市内の学校に通う地元の子供達。その子供達と 10 年間一緒に映画を作る。

【製作チーム】
製作:映画「刻-TOKI-」実行委員会、harakiri films
プロデューサー:今井太郎

 

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