コロナ対応。日本と英国の違い。

5年以上英国に居住する日本人の方が、昨今のコロナウィルスについての日本と英国の違いについて寄稿いただきましたので紹介します。


イギリス政府の対応は日本とは違うし、文句はあるけど概ね英国民は支持しています。

①政府与党 ②野党 ③マスコミ
この3つ共が全然違います。
残念ながら3つとも日本は負けてる気がします。
ただし、国民の民度、公衆衛生のレベルは日本が遥かに勝ってると思います。

<英国の場合>

①政府与党

未曽有であるゆえ分からないことが多い中で可能な範囲で科学的アプローチを取っているとしっかり前置きした上で、政府としての『仮説』を明確に説明する点。
英国の場合、医療機関のキャパ内におさめるには感染のスピードを遅くすることが有効と断言。よって行動制限に踏み切る、と断定。
誤謬のない政府はないとキッパリ開き直る。

これを可能にする法律体制もあるでしょう。
日本は政府が強権を発動しにくい。
学校の閉鎖ひとつ決められない。それは自治体の判断、、となり全国で対応はバラバラ。

②野党

非常事態であることを認識するや野党は与党政府の対応を全面的に支持する。後ろでは意見はするが代案のない反対のための反対や批判のための批判はしない。
まるで自然発生的に大政翼賛体制になったよう。
揚げ足とりもましてやしない。
与党政府は思い切って対策に集中できる。
危機における政治は戦(いくさ)でいう殿(しんがり)軍、、敗走処理、、あえて政府与党を攻撃しない。

③マスコミ

英国首相の記者会見も機会があれば見て欲しい。マスコミの質問はコロナのことのみ。政府批判もない。情報統制のある共産党政府でもない、議会制民主主義発祥の国、イギリスで。

もちろん各紙は紙面では政府批判や意見もする。それは言論の自由。
しかし記者会見の場ではそんなことはしない。
揚げ足とりももちろんしない。

日本の会見みて腰が抜けました。
ある記者は桜、モリカケ公文書、、コロナと関係ないことを平気で質問する。
ある記者は自分の持論を滔々と述べて最後にそれについて『総理はどう思いますか?』と質問する。あなたの意見を勝手に述べるな!と思います。それを総理に直接質問出来るのは選挙で国民の負託を受けた議員のみ。いち記者が勝手に国民の付託を受けたかのように代表して意見を述べるないでと思います。
言いたいことはコラムなりで紙面で自由に書いてください。記者会見では政府の方針をしっかり理解することに努め、それを正確に読者に伝えることに専念してくださいと思います。
日本のマスコミは誤った思い上がりに過ぎると感じます。
政権批判が目的にすり替わって日本を貶めて結果的にコロナに対する政府の対応の選択肢を潰し、遅らせているのでは?

元首は国民にしっかりと語る

ボリス・ジョンソンはそのアナウンスで語りかけるようにカメラ目線で国民を見つめて語ります。

『残念だがこれからあなたの大切な人も亡くなる』
『だから注意深く聞いて欲しい。これは皆の戦いだ。』
『皆にお願いしたいことは厳しいことだがとてもシンプルだ。』
『家にいてください。』
『それだけだ。』

大切な人が亡くなる。
ネガティブだけどもそれは十二分に起こる現実。
それをハッキリと言葉にすることで国民の覚悟を引き出しました。

日本は言葉にすると実現するという『言霊信仰』があるので『忌み言葉』があります。
縁起の悪いことははっきり言葉にしない。

「あなたの大切な人が亡くなる。」

日本の総理がそんな事言おうものなら。。。

そういう違いもあるので、、
なかなかに簡単に日英比較は難しいけども。

非常時に日本は弱い?

こういう非常時には残念ながら日本は分が悪いかもしれません。
ただ、それは日本の場合、戦後の教育も影響しているかもしれません。

国民が国を愛し、国が国としてまとまること。
これを危ういものとして徹底して排除してきた日本の戦後教育があります。
ただ、これは、世界の多くの国で当たり前にやっていることではあります。

①政府与党は、非常時にあっては挙国一致を大手を振ってリードすること。
②野党は、非常時にあってこれを支持すること。
③マスコミは、非常時にあってこれをバイアスなく正確に伝えること。

そのどれもができてないのは、

①それは強権で独裁だとされると日和見する与党
②独裁政治を許さないのが正義だとこだわりすぎる野党
③政権批判すること、そして視聴率・購読数だけを使命だと考えているマスコミ

というのがあるのではないでしょうか?

ボリス・ジョンソン首相、野党に協力呼びかけツイート

2020年4月4日、英国ボリス・ジョンソン首相が野党の党首にレターを出しました。
与党・野党の枠を超えて、来週の閣議では共にコロナ対策に知恵を貸してくれと。
こういった全世界に及ぶ困難に直面している時は、政治思想の違いを乗り越えて、一致団結する必要があるという呼びかけです。
昨今は、日本も世界も、右やら左やら思想の違いによる分断が進みすぎ、お互い罵詈雑言の批判合戦が過ぎてるのではないでしょうか?

[構成:Jun Sakurakoji/寄稿:Koji Mizuno]

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