北村匠海「不思議な運命を感じたこの作品」映画『世界征服やめた』舞台挨拶@磯村勇斗主宰・プロデュース「しずおか映画祭」
2024年11月4日、沼津市民文化センター大ホールにて、磯村勇斗主宰・プロデュース「しずおか映画祭」が開催された。本記事は、北村匠海初監督映画『世界征服やめた』より、舞台挨拶とインタビューをレポート。
「しずおか映画祭」は、俳優の磯村勇斗が「映画を身近に感じてもらいたい」「地元静岡のさらなる活性化を図りたい」と主宰・プロデュースした。
北村匠海×磯村勇斗 インタビュー動画
舞台挨拶レポート
■トークノーカット動画レポート
■ダイジェストフォトレポート
初の映画監督作品『世界征服やめた』の上映後にトークイベントに登壇したのは、磯村の盟友・北村匠海。
北村匠海監督作品『世界征服やめた』を「しずおか映画祭」で上映することになった経緯について尋ねられると、磯村は「匠海は戦友みたいな人ですし、彼の役者、アーティスト、そしてクリエイターとしても惚れているので、このタイミングで彼が監督・脚本を務めた映画が作られて・・・ほんとうに巡り合わせのようなもの実現しました」と運命のようだったと語る。
また、作品を鑑賞した磯村は「不可思議/wonderboyさんの楽曲はそもそもメッセージが強く、ご本人がある日突然、亡くなってしまっているというバックボーンも含め、匠海が更に生命を映画として吹き込んで誕生したんだろうな。ほんとうに匠海が、大好きという気持ちを込めて作られたことが伝わり、僕は心が震えました」と感想を寄せた。
北村は、映画祭を企画、開催した磯村について尋ねられると、「役者から飛び越えた話をよくしていたので、不思議と驚きはなかったです。だよな、やるよな、勇斗って感じでした」と答え、「ただ、自分が監督をするというタイミングと重なったのは運命だなと思ったし、必然的なのかな」と噛み締める。
磯村も「役者同士としては映画とかで共演はしていたけれど、こうゆう形でこの場に登壇する日が来るとは思っていなかった。でも、どこかこういう日が来てもいいんじゃないのかなっていうぐらい、ふたりで役者以外の話もしていたので、今日この時間が作れたことを嬉しく思います」とお互い照れながらも、感無量の様子。
北村が映画を監督するという話を聞いた時を振り返り、磯村は「とにかく頑張れ!」と思ったそう。
北村が映画を監督するという話を聞いた時を振り返り、磯村は「とにかく頑張れ!」と思ったそう。
いつから映画づくりを目指したのかと問われた北村は「小栗旬さんが監督をされた映画『シュアリー・サムデイ』がきっかけです。その経験があったので、役者が監督をするっていうことに対して、すごくポジティブな印象を受けたんです。現場で小栗さんが子役じゃなく一人の役者として接してくださったことで自分自身の役者の人生が変わった作品でもあります。その時に、いつか絶対、映画監督をやるんだと思って、今に至でるんです。そして、偶然にも小栗さんが『シュアリー・サムデイ』を撮った年齢と今回の映画を企画した時の僕の年齢が同じなです」と秘話を明かしてくれた。
磯村も監督経験があることに触れ、俳優と監督との違いについて尋ねられると、磯村は「役者と監督をやっている時の脳みそは全然違うな」と答え、「監督を経験してみると、俳優というのは一部署でしかないんだなと強く感じました。俯瞰して見れるようになったのは良い経験」と回想。
北村も「同じ感覚を持ちました」と同意。また、「監督をするのがとても楽しくて、酸欠のような状態に。楽しすぎてアドレナリンが出まくりましたね」と撮影時を述懐した。
監督をするうえで大切にしたことについて北村は、「初期衝動、芝居の鮮度。役者に寄り添う現場を目指しました。現場のシステムをいろいろとスタッフ陣と考えて、テストをなくして、お芝居は一発目から回すようにしました」と撮影時に心掛けたそうで、磯村は「映画を観て、めちゃめちゃ生の空気感を感じました」と納得表情を見せた。
また、『世界征服やめた』を撮る中で、北村は「(萩原利久演じる彼方の同僚・星野を演じた)藤堂日向の役者としての渇望感を撮りたかった」とも明かす。
映画『東京リベンジャーズ』シリーズで、磯村とも共演経験のある藤堂。北村は「日向と仲良くなればなるほど、彼の内面的な部分を知るようになった。星野という役柄には、生きることへの渇望が大事だったので、日向の持っている渇望感がリンクしていた。今回、キャスティングもすべて自分でしたんです。キャスティンの時点でハマるには理由があるんだと痛感しました」と語った。
最後にこれからの展望について、北村は「(磯村と)二人で必ず何かしらやるでしょうね。「しずおか映画祭」にもスタッフとかポスターのカメラマンとかテーマ曲を作るとか?実は、楽曲「世界征服やめた」のMVも沼津で撮影されていたこと後々知って、これはもう運命だと思った」と熱い想いを語ると、磯村も「何か導かれている気がしてならない」と同意。
続けて北村は、「すぐに大きな輪にはひろげられないけれど、身近な人に輪を広げていくことが今後の映画業界にとっても大事だと思う。映画が完成しても観てもらう機会を作ることが難しいなと感じていた中で、磯村勇斗くんに声を掛けてもらい、こうゆう機会を作ってもらいました。8歳の時に映像業界に入り、そこからずっと映画や音楽に助けられて生きてきました。その中でも、不可思議/wonderboyという時運にとって偉大なアーティストから受けた想いを映画化したのですが、皆さんに少しでもその想いが残っているといいなと思います。また、今後もいろいろな形で映画に携わっていけたら!」と想いを託した。
■しずおか映画祭クロージングフォトセッション
朝10:30から夜20時前までの長丁場となった「しずおか映画祭」のエンディングを迎え、磯村は「始まるとあっという間に終わってしまうんだな。沢山の方に足を運んでいただき、無事に終えられそうです。多くの方々に協力していただき、今日という日を迎えられて感謝しています。これからも続けていけるように頑張ります。皆さんと育んでいくものだと思うので、引き続き応援してください!」と感謝し、次回以降の開催にも意欲を見せたると、会場は今日一番の大きな拍手と歓声に包まれた。
最後は登壇者全員で記念撮影が行われ、盛況の中、「しずおか映画祭」は幕を閉じた。
■フォトギャラリー
[動画・写真:三平准太郎]
関連動画
映画『世界征服やめた』
《INTRODUCTION》
俳優でありアーティストとしても活動しマルチな才能を発揮する北村匠海が、初めて短編映画の脚本・監督を務めた映画『世界征服やめた』が、2025年2月よりヒューマントラストシネマ渋田にほか全国順次公開される。
本作は、10月17日~27日の期間に開催される「ショートショートフィルムフェスティバルアジア 2024 秋の国際短編映画祭」にてワールドプレミア上映が決定しているほか、11月4日に開催される磯村勇斗が企画・プロデュースを務める新しい映画祭「しずおか映画祭」でも上映が決定。
このほか、今後もこの他の映画祭での上映を予定しております。独特な言葉のセンスとパフォーマンスで注目をあびながら、2011年6月23日に不慮の事故でこの世を去ったポエトリーラッパー・不可思議/wonderboy の代表的な楽曲の一つである「世界征服やめた」に強く影響を受けた北村匠海が、この楽曲からインスパイアされて脚本を書き下ろし、自らメガフォンをとった短編映画。
北村匠海監督はプライベートでも親交があり、今やドラマや映画で大活躍中の萩原利久が主人 公の彼方を熱演。そして彼方の人生に影響を与える同僚の星野役には北村監督が才能に惚れ込んでオファーした藤堂日向に決定!また彼方が通うお店の店長に、北村匠海監督のデビュー作を応戦し、なんと井浦新が友情出演!
その他、スタッフ陣にも、多くの企業 CM や数々のミュージックビデオを手掛ける清水康彦。撮影監督には錚々たるアーティストから指名を受け、今の時代のクリエイティブの最先端を牽引している今最も旬なカメラマン川上智之など、北村匠海監督の魅力に多くのキャスト&スタッフが集結し本作を作り上げた!
《STORY》
自分はちっぽけで、でも光に手をのばさずにはいられない。暗闇の中、生きて生きて生きて生きる。
“人生の主人公は自分しかいないのだ”。
だって、明日は誰にだって平等にやってくるのだから。
主人公・彼方(萩原利久)は、社会の中で生きる内向的な社会人。変化の乏しい日常をやり過ごす中で、「自分なんて誰にも必要とされてないのではないか…」と自分の無力さを感じていた。
そしてどこか飄々として、それでいて白黒をはっきりさせたがる彼方の同僚の星野(藤堂日向)。
星野の選んだ決断に彼方の人生は大きく揺れ動く。「死」の意味を知る時、明日の選択は自分でできることを知る。世界征服という途方もない夢を追いかけるよりも、自分にしか描けない道がきっとある。
企画・脚本・監督:北村匠海
出演:萩原利久 藤堂日向 井浦新(友情出演)
原案・主題歌:「世界征服やめた」不可思議/wonderboy(LOW HIGH WHO? STUDIO)
製作・制作プロダクション:EAST FILM
撮影協力:ニコンクリエイツ|制作協力:ニコン
画協力:Creatainment Japan
配給・宣伝:SPOTTED PRODUCTIONS
© 『世界征服やめた』製作委員会
公式サイト:sekaiseifuku-movie.com
公式X:@sekaiseifuku_M
公式Instagram:@sekaiseifuku_movie
2025年2月、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
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