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のん「情報発信は沸き立つ気持ちをポジティブに!」withnews5周年記念イベント

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奥山編集長/のん

自分らしさを貫いた情報発信の仕方が共通点

11月28日、東京スクエアガーデン内にあるTwitter Japan社にて、朝日新聞社が運営する「withnews」の5周年記念イベントが行われ、withnews奥山編集長がこの5年間を振り返ると共に、後半から女優・創作あーちすとの“のん”がゲスト登壇。編集長とクロストークする形で、ネットでの共感を呼ぶ情報発信力について“のん”が心がけていることを語った。

「withnews」(https://withnews.jp/)は、新聞になじみのない、若者世代向けのニュースサイトとして、2014年スタート。「取材リクエスト」を通じた読者との双方向的なやり取りや、ネットで話題になっているテーマの深掘り取材など、web全盛の時代における、新しい報道の形を模索し、月間平均5000万PVのサイトに成長している。

トークイベント前半、“「withnews」次の5年に向けて”というお題で奥山編集長は、「届けたい“メッセージ”は紙でもネットでも変わらないが、届きやすい“形”は変化している。分断を生じさせると言われるインターネットも、貴重なつながりの場になる良い側面もあり、それを大切に、「withnews」が広大なネットの海で“憩いの場”になれることを目指す」と語った。

また、のんさんをゲストに招いた理由について奥山編集長は「自分たちなりの情報発信であったり、デジタルへの向き合い方、すなわち、自分らしさを貫いた情報発信という点が、のんさんと共通点があると考えた。」と明かした。

奥山編集長と“のん”のクロストークで、“のん”が語ったこととしてもっとも特徴的だったことは、「SNSはポジティブに使う」という点。怒りすら、ポジティブで明るく熱い創作エネルギーに変換する“のん”が情報を発信する時は、自分の沸き立つ楽しい興奮を共有したい時。逆に、読む人が気分が悪くなること、角が立つことは書かないということを心がけているという。そのため、ネガティブな気分の時はSNSは開かないと断言していた。

のん

のん

■#ウニュトーク「人のココロを動かす情報発信」

withnews奥山編集長×のん クロストーク

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奥山編集長/のん(Twitter Japan社オフィス)

のん流 SNSの使い分け

奥山晶二郎編集長
のんさんの活動の中で、ネットで何かに挑戦し切り拓いていく姿勢は、withnewsに近いものがあると感じてます。
テレビ・舞台・映画の活動と並行して、Instagram、Twitter、ブログなどのネットでの発信に力を入れられている理由は?

のん
モノを作るのがすごく好きで、そしてそれを主体的に活動し、自分から発信、打ち出していく場所として、Instagram、Twitter、ブログを始めました。

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奥山編集長
単なる告知だけでなく、自分の気持を発信していくという上で心がけていることは?

のん
心がけていること、というよりも、素直な気持ちになるように。そしてその気持を文章にしたらどのように伝わるかということをすごく考えます。

のん

奥山編集長
それぞれのSNSごとの発信の区別は?

のん
Instagramは写真がメインになる投稿で、コメントは多すぎないようにしてます。
ブログは自分の思いを丁寧にじっくりと伝えたい時ですね。
Twitterは、“なう”の気持ちをダイレクトに(笑)毎日つぶやいているわけじゃなくて、思いが高まった時、たとえば自分が洋服を作ったり、曲を作ったりした時にパーッっていっぱいつぶやいちゃうことがあります。そういう楽しい時につぶやきます。
深夜になることがあるので、通知が来る方には申し訳ないんですけど(笑)

奥山編集長
Twitter社のオフィスで私が言うのもなんですが、Twitterの使い方としてはけっこう合ってると思います(笑)

のん

“怒り”の解釈、役割とは?

奥山編集長
「自由に牙をむいていいんだ」という発言とか、のんさんは“怒り”をすごく大切にされていますが、それは、のんさんの中でどういう解釈、役割になっていますか?

のん
“怒り”の感情は、私の中では、喜怒哀楽の中では一番お気に入りの感情なんですね(笑)
自分が怒っている状態にあることがけっこう楽しい。負の感情として放出するよりも、ポジティブなものとして消化し、エネルギーになり、明日を維持する力になる怒りを使っていきたいなと思っています。
そういう怒りのパワーで燃えている時に、絵を描いたり、曲を作ったりとか、そういう爆発力に繋がっていきます。
逆に暗い気持ちになる怒りの時は使い物になりません。

奥山編集長
のんさんの怒りって、個人に対する怒りではなくて、その時の自分の何かモヤモヤに対する怒りで、怒ることで生まれる財産ってものがあるのかなと。

のん
曲を書いたら、だいたい怒ってますね。なんにも考えずに書くと、また怒っちゃったみたいな(笑)
なので、気をつけて書かないと、優しい曲にならないんです。
“怒り”は、自分の中で一番フランクな感情なんです。泣いたりとか喜んだりとかすることよりも、かなり自分の中では扱いやすい感情です。迷惑をかけない、使える“怒り”です。
もちろん、楽しい気持ちも好きなんですよ。同じくらい好きなんですけど、喜怒哀楽の中で、“怒り”だけが抑え込まなきゃいけないということで、除け者みたいな気がしていて。泣くことって、けっこう推奨されていたりもするのに対して。だからそういうところがある分、“怒り”は可愛がっています。

奥山編集長
怒りの可愛がり方ですか(笑)怒りをどうコントロールされてますか?

のん
日々、使う(笑)
いつも会うスタッフとかには、もしかしたら嫌がられているのかもしれないですけど、コミュニケーション取る時とかに、グッと睨んだりとか、フンっ!とか唸ったりしてコミュニケーション取ろうとします(笑)

奥山編集長
(のんさんの唸りは可愛いけど)私のビジュアルだと難易度高いですね~。

(会場笑)

のん
編集長のような、身長が180cmの人が、フンっ!って唸ると迫力が出ちゃいますかね。でも、大丈夫じゃないですか? ンー!って。ライオンみたいに(笑)

のん

唸る仕草を演じてみる のん

奥山編集長
今、貴重な演技指導をいただきましたけど(笑)

のん
怒りの感情はコミュニケーションの一貫として使っていると、けっこう、喜ぶのと同じくらいの感情に思えてくるんですよ。
抱えちゃいけないって思うから怒りの感情が増悪していっちゃうけど、“お腹すいた”って感じと同じと捉えれば、コントロールしやすくなります。
たぶん、いちばんハードルが低いのは、唸ることですね。オススメ。

(会場笑)

“のん”が表現する上で柱としていること

奥山編集長
今度、フェスもされますよね?

のん
来年、閏年の2月29日です!
(会場拍手)
チケットの先行予約を受け付けてますので、来れる方は是非!EX六本木シアターです!

のん

奥山編集長
音楽活動や、舞台出演、あーちすと活動などの、ものづくりの環境の中で例えばこれだけあれば大丈夫みたいな、のんさんの中で柱、最終防衛ラインとなっているものは?

のん
ブレないことは大事にしています。
新しい表現、新しい挑戦とか、いろんなことにどんどん挑戦していきたいという気持ちがすごくあって、毎回驚かせたいし、それで一緒に楽しんでもらいたいっていう気持ちがすごく強いです。その中で「のんがやるからには!」っていう部分をすごく大切にしています。

奥山編集長
たとえば、音楽活動の場合でブレないのんらしさっていうのは?

のん
「パワフル」「女の子」「牙をむいていること」、ですね。
自分が作る曲は“健康パンク”というのを心に掲げてやっています。
健康的なパンク。怒りをフランクに捉えるっていう、明るいパワーでやっていくみたいな。

のん

共感を呼ぶ発信力

奥山編集長
のんさんの共感を呼ぶ発信力に注目しています。たとえばTwitterでの発信ではどのようなことを心がけてますか?

のん
驚きだったりとか、楽しそうっていう素直な感情を入れることを重視しています。
もともと自分が感情を出すのが苦手なところがあって、それは、私の地元(兵庫県神河町)が、あんまり感情を外に出さない土地柄なんですよ。
(会場笑)
土地柄の問題なのかなって勝手に思っているんですけど、お母さんはそんなことないんですが、友だち同士だと、可愛いとか言い合ったりあんまりしてこなかったんですよね。
可愛いとか、似合ってるとか・・・あとなんだろ?あと何があります?

のん

(会場笑)

奥山編集長
(私に聞かれても・・・)

のん
地元ではそういうことを言わない友だち同士の関係だったので、東京に来た時に、皆が躊躇なく可愛いって言い合ってたりとか、カッコイイって普通に感情を出しあってるのが、すごくいいなって思って。自分もそれを参考にして、素直に気持ちを表に出すことを大事にしています。

奥山編集長
けっこう本質だと思います。テクニックだけに走っちゃうと見透かされてしまうことがあるのは、ある意味自浄作用というか、ネットの良さでもある気がしているので、withnewsでもそのへんは大事にしていたりします。

のん
ニュースを見ていても、「これって記者の方の気持ちが入ってない?」みたいなのを感じるとすごいなんか食いついちゃいますね。

のん

ポジティブなメッセージを伝えるのに必要なこと

奥山編集長
のんさんのネットでのメッセージってポジティブなことがすごく多いなって思っています。舞台が終わった後の関係者や出演者の方との熱気あふれる写真だとか。それってのんさんがナチュラルにたどり着いたスタイルなのかもしれないですけど、一方で、SNSってネガティブな側面も強い。そういう中で、のんさんがポジティブなメッセージを伝えるために必要だと考えられていること、心構えのアドバイスをお願いします。

のん
ネガティブな気持ちの時はSNSを開かないようにしています。
開く時は、ポジティブな時、気持ちが高まっている時、楽しい気持ちでいる時です。
自分が沸き立っている感情を伝えるにはどういう文章になるんだろうって考えて組み立てていって、それを素直な気持ちで表現することです。
やっぱり、明るいこと、前向きなことに消化できるとすごくいいですよね。
先日、「劇団カムカムミニキーナ」さんの「両面睨み節」っていう舞台を観に行ったんですけど、閏年の計算をしている昔の人が出てきて、閏年を見つける時に、石を少しずつズラしてズルをする、良くも悪くも訂正していくことがいいことなんだ、良いことに消化できることがあるんだっていうセリフで、それがすごく今のSNSの時代にあててるのかなっていう気がしました。
閏年・・・。閏年っていうのが、舞台の物語の中に出てきて、のんフェスが閏年だ!って(笑)
(会場笑)
すごい勝手に、私しか沸き立ってないことなんですけど、すごい興奮してました(笑)
みなさん、(ライブに)来てください(笑)

のん

会場からの質問コーナー

Q.私はふだん、第三者が不愉快にならないようにツイートしてますが、以前、お酒を飲んで過激ツイートしてしまい、後から消すということがありました。お二人が発信する時に、これだけはやらないって決めていることはありますか?

奥山編集長
私の場合は溜めます。書いた文章を一晩寝かせて翌日見直すことで、角が立っているところに気づきます。ただ、バーターで勢いが無くなりがちになってしまいますが。
私の性格的には寝かした系が合っているかなって思っています。

のん
寝かせ派なんですね。
「寝かせ玄米(*)」ってお好きですか?

(会場笑)

奥山編集長
玄米は食べますが、寝かせ玄米ってのはわからない(笑)

*寝かせ玄米・・・玄米に小豆と塩を混ぜて炊き、そのまま数日間保温したまま寝かせて作るご飯。

のん
私の場合は、読んだ人の気持が下がるようなツイートはしたくないなって思うので、もちろん角が立つこともイヤなんですけど、「あっ、これちょっと恥ずかしかったな」とか、「今思うと照れるな」みたいな部分は気にせずそのまま出します。
だから、恥ずかしいからやめようはしないようにしています。

奥山編集長
じゃあ私も明日から・・・(笑)

のん
恥ずかしいことでも!それがチャーミングであればいいんじゃないですか?

奥山編集長
チャーミング・・・
(会場笑)

奥山編集長
(僕でも)大丈夫ですか?

のん
大丈夫です!

(会場笑)

奥山編集長
でも世の中って、今年1年もそうですが、災害とかネガティブなことって多いので、自分自身が発信するものはポジティブ中心にやるとちょうとバランスがいいのかもしれないですね。
この考え方で合ってますよね?

のん
えっ?あ、合ってます!
ビックリした。withnewsのプロの方に確認されるとは(笑)
執拗に明るくしたいですよね!
明るくいたいですよね。
怒りながら明るくできますからね!
だから、閏年ののんフェスにみんな怒りを発散しに来てほしいなっていう気持ちで。怒りをポジティブな明るいパワーに変えられるフェスです!

のん
(私って)すごいですね。石を少しズラすじゃないくらいに、すごい話をズラしちゃいましたけど(笑)

(会場笑)

のん
まとまってますか?着地しました?

のん

奥山編集長
しました、しました。
ということで、会場の皆さんの質問に大変丁寧に答えていただきました。


[編集後記]
この日のクロストークでののんさんは、いつものイベントトーク以上に、“のんらしさ”爆発、覚醒した感がありました。
裏話となりますが、穏やかな印象の奥山編集長と、おそらく世間のイメージとして大人しいと思われているのんさん2人の対談なので、どうなることやら?という話もあったそうですが、いざ蓋を開けてみると、そんな心配はどこ吹く風。
逆に新たな発見とも思えたのは、対談するお相手が穏やかだと、のんさんが主導権を握るのか!?という点でした(笑)

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[写真・記事:Jun Sakurakoji]

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