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ブルーアワーにぶっ飛ばす

「夏帆ちゃんが映画を好きで良かった」『ブルーアワーにぶっ飛ばす』公開記念舞台挨拶

ブルーアワーにぶっ飛ばす

箱田優子監督/夏帆/黒田大輔

10月16日、テアトル新宿にて映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』の公開記念舞台あいさつが行われた。本来、12日の公開初日に行われる予定だったが、台風19号の影響でこの日となった。舞台挨拶には、長編初となる箱田優子監督、主演の夏帆、黒田大輔が登壇。監督自身を投影した物語でありつつ、監督が「夏帆100%の映画」と称するほど、今の等身大の夏帆が描かれている。舞台挨拶の最後には、監督から夏帆への手紙朗読があり、夏帆が思わず嬉し泣きする一幕もあった。

舞台挨拶レポート

ブルーアワーにぶっ飛ばす

台風19号被災のお見舞い

箱田優子監督
本日はお越しいただきありがとうございます。本来、この舞台挨拶は10月12日に行う予定でしたが、(台風の影響で)本日やらせていただくことになりました。台風で被害に遭われた方にはお見舞い申し上げます。
私、この風景が見たくて作った映画だったりするので、テアトル新宿もずっと通い続けた映画館で、私も客席からこういう映画が観たいなって思って書いた脚本から、こんなに素晴らしいキャストと一緒に映画を作ることができたので、感慨深くて今、震えています。ありがとうございます。

箱田優子監督

箱田優子監督

夏帆
台風の被害に遭われた皆さん、たくさんいらっしゃると思います。一刻でも早く復興できることを心よりお祈り申し上げます。

夏帆

夏帆

劇場公開を迎えて

– 劇場公開を迎えてお客様を目の前にした今のお気持ちをお聞かせください。

箱田優子監督
一人一人の顔を今日覚えて帰ろうかと思うくらいです(笑)私の初監督作品なので、舞台挨拶に来てくださった皆さんのこの風景、絶対に忘れないと思うんです。今後もいろんな作品を作り続けたいと思いますけど、二度と無い回だと思うので、ほんとにありがたく思っています。
初日からずっとそわそわしてて、そわそわしすぎて、夏帆ちゃんにご飯食べよって甘えに行って「胸貸してくれ」って言ったら、「いいよいいよ。投げ飛ばしてあげるよ」って。「そういう胸の貸し方じゃねぇ!」って(笑)

– 夏帆さんはいかがですか?

夏帆
この映画が早く公開されて皆さんに観てほしいなと思っていたのですが、先週公開初日を迎えて、嬉しいような寂しいような、なんか複雑な気持ちです。

夏帆

このタイミングでこの役に出会えたことの意味

– 夏帆さんはずっとやりたかった役ともおっしゃってましたが、この作品に参加されていかがですか?

夏帆
私は10代の頃からこの仕事をしていますけど、あの時このタイミングでこの役に出会えたというのは、私のキャリアの中でもとても意味のあることだったなと思いますし、頑張っていればこういう作品と出会えるんだなって思いました。
今回、箱田さんは長編初監督ということで、そんな大事な一本目で、ご自身を投影した砂田夕佳っていう役を私にオファーしてくださって、すごく嬉しいですし、実際演じることができて、自分にとってもすごく思い入れの深い作品になりました。

等身大そのままの夏帆が出ている映画

– 皆さんの身近な人からはどういう声が届いていますか?

夏帆
「この役はほんとに夏帆にしか演じられない。」「等身大のそのままの夏帆が出てるね。」って身近な友だちに言ってもらえて。私のことをよく知っている身近な人が言うからそうなんだと思うんですけど(笑)

箱田優子監督
「ザワついた」っていうメールしか来ないんですけど(笑)
もちろん、夏帆ちゃん、ウンギョンちゃん含め、キャストの皆さんが素晴らしいというお話はすごくいただいていているんですが、昨日、久しぶりに先輩からメールが来て、「みっともないね。」って。これは褒める意味で言ってくれたらしいんですけど、私としてはすごく嬉しかったです(笑)

夏帆
完成披露試写会の舞台挨拶の時に箱田監督は「この映画は夏帆100%だ」っておっしゃってましたけど、“優子100%”ですよね?

箱田優子監督
いやいやいや(笑)

ブルーアワーにぶっ飛ばす

シム・ウンギョンからの手紙朗読

シム・ウンギョン(MC代読)
「劇場の皆さんへ。
私“キヨ(清浦あさ美)”がご挨拶できずほんとうにすみません。私は今ソウルでドラマ(「マネー・ゲーム」)の現場で撮影をしているのでお手紙でのご挨拶になりました。今、劇場にはきっとたくさんの方に来ていただいていると思いますが、監督と夏帆さんと素敵なキャスト、スタッフの皆さんと楽しく頑張って作ったこの作品を是非楽しんでいただきたいです。
私はいま、身体は離れていますが、心は劇場にいます。この作品に出てくる砂田やキヨのように、私たちは憧れのもうひとりの自分と一緒に来ているのではと思います。
この映画を通してもうひとりの自分を素直に感じながら、寂しい気持ちを温める時間になると嬉しいです。
最後に今回の台風で被害に遭われた方々が一日も早く平穏な生活に戻られることを心からお祈り申し上げます。それではまたお会いしましょう。」

「監督と夏帆さんへ
監督と夏帆さん、いつも一緒な気がするのに、今日、一緒じゃないのが不思議です。この作品を通して私は正直に生きていていいんだ、大丈夫なんだという大きいメッセージをいただきました。ありがとうございます。また会いましょう!」

ウンギョンちゃんが現場にいるとホッとする。

– シム・ウンギョンさんとのお仕事を振り返っていかがですか?

箱田優子監督
夏帆ちゃんと2人でいると、ウンギョンちゃんがいないと寂しくなっちゃう。ほんとに。

夏帆
うん、寂しいですね。ほんとに素晴らしい女優さんで、才能豊かでそれでいてすごくストイックで。
砂田にとってキヨっていう存在は、ほんとに心の拠り所で、私にとっても、撮影中、ウンギョンちゃんっていう存在がすごく心の拠り所で、ウンギョンちゃんが現場にいない日はずっとソワソワしてて寂しくて、ウンギョンちゃんが現場にいるとホッとするっていう。なんかそういうものすごく魅力的な女優さんで、今回ご一緒できて良かったなって思っています。

夏帆

箱田優子監督
ほんとに素敵な方ですよね。韓国でいろんな映画やドラマに出られていて、実力がある女優さんでありつつ、現場ではユーモアがあって笑いを忘れない方。そしてすごく繊細なところもあるのがすごく好きなんです。この作品の現場ではいつでも“キヨ”としていてくれたことがすごく嬉しかった。
これは後から聞いた話なんですが、某シーンの撮影の裏では緊張で泣いていたこともあったそうです。あれほどのキャリアがあって、誰の前でも頑張っている彼女にそんな姿があったのかと思うと・・・あっ、言っちゃった・・・。めっちゃ怒られる!?
でも彼女のそういうストイックなところが私はすごい好きです。

箱田優子監督から夏帆への手紙

ブルーアワーにぶっ飛ばす

箱田優子監督
「夏帆さま。
せっかくなので言えなかったことを書こうかなと思います。夏帆ちゃんと出会って1年半以上経つでしょうか。始まりのお手紙でしたね。「夏帆ちゃんの人生、くれないか」みたいな内容で、今思えば初めましての人に失礼極まりない文面だったと思います。「これは箱田さんの話かもしれないけど、私の話だなって思った。シンクロしましょう。そうすればみんなの話になる。」そう言ってくれたことから始まり、準備中、いろんな話をしましたね。映画のためと称して、今まで誰にも言えなかったことをお互いに打ち明けていく中で、人と向き合う辛さと嬉しさにいつもどこか泣きそうでした。現場中、ベテランぞろいのスタッフに囲まれる中、初長編のプレッシャーに瞳孔開きまくりの私の横で、「何があっても私は箱田さんの隣にいる。誰が責めても私だけは絶対にそばにいる。」そうつぶやいてくれたことが嬉しく、主演としてチームを引っ張る力強さを感じてワクワクしました。
新しいチャレンジはいつだって怖いけど、怖いながらも先へ進むって楽しいね。それも映画があるからだね。映画って楽しいね。」

夏帆
楽しいね。

箱田優子監督
「映画が好きで良かった。夏帆ちゃんが映画を好きで良かった。夏帆ちゃんを好きになれて良かった。主人公の砂田は私たちを離れて勝手に走り出しているけれど、あいつの幸せも祈っているよ。この先どんどん進化していく夏帆ちゃんを楽しみにしています。じゃぁまたね!箱田優子でした!」

(会場拍手)

箱田優子監督
どうしよ、恥ずかしい!

夏帆
ありがとうございます(嬉泣)

夏帆

箱田優子監督
泣いてる?

夏帆
やめろよ。泣いてねぇよ!(嬉泣)

夏帆

– 改めて箱田監督との撮影を振り返っていかがですか?

夏帆
今お手紙を読んでいただいて、いろんなことを思い出しました。撮影前から、撮影中から、撮影後も、今もお付き合いさせていただいているんですけど、いろんな仕事をさせていただてきた中で箱田さんとの出会いというのは、私にとってとても大事な出会いになり、これからもお付き合いさせていただければなと思います。今回は監督一作目おめどうございます!

ブルーアワーにぶっ飛ばす

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最後は箱田監督自身が涙、涙。それを優しく慰める夏帆。

ブルーアワーにぶっ飛ばす

フォトギャラリー

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[写真・記事:Jun Sakurakoji]

映画『ブルーアワーにぶっ飛ばす』

【Story】
30歳の自称売れっ子CMディレクター・砂田(夏帆)は、東京で日々仕事に明け暮れながらも満ち足りた日々を送っている…ように見えるが、口をひらけば悪態をつき心は荒みきっている。
ある日、病気の祖母を見舞うため、砂田の嫌いな故郷に帰ることに。ついて来たのは、砂田が困った時には必ず現れる、自由で天真爛漫な秘密の友だち・清浦(シム・ウンギョン)。
しかし、再会した家族の前では、都内で身に着けた砂田の理論武装は通用しない…やがて全てを剥がされた時、見ようとしなかった本当の自分が顔を出す―。そして、一日と始まりと終わりの間に一瞬だけおとずれる“ブルーアワー”が終わる時、清浦との別れが迫っていた…。

出演:夏帆 シム・ウンギョン 渡辺大知 / 黒田大輔 上杉美風 小野敦子 / 嶋田久作 伊藤沙莉 高山のえみ /
ユースケ・サンタマリア でんでん 南 果歩
監督・脚本:箱田優子 製作:中西一雄 企画プロデュース:遠山大輔 プロデューサー:星野秀樹
撮影:近藤龍人 照明:藤井 勇 録音:小川 武 美術:井上心平 編集:今井大介 音楽:松崎ナオ
製作:「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
製作幹事:カルチュア・エンタテインメント
制作プロダクション:ツインズジャパン
配給:ビターズ・エンド 2019 年/日本/カラー/アメリカンビスタ/DCP5.1ch/92 分 (C)2019「ブルーアワーにぶっ飛ばす」製作委員会
公式サイト:www.blue-hour.jp

予告編

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テアトル新宿、ユーロスペースほか大ヒット上映中!

コミック「ブルーアワーにぶっ飛ばす」

著者:箱田優子
発売日:2019年9月6日(金)より全国順次発売
定価:本体777円+税
判型/仕様:徳間文庫
発売:株式会社徳間書店
商品URL:
徳間書店
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コミック「ブルーアワーにぶっ飛ばす」

ブルーアワーにぶっ飛ばす

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TSUTAYA CREATORS’ PROGRAM FILM 2016 審査員特別賞受賞
第43回香港国際映画祭 ヤング・シネマ・コンペティション部門 正式出品
第19回ドイツ日本映画祭「ニッポン・コネクション」ニッポン・ヴィジョンズ審査員スペシャル・メンション受賞
第22回上海国際映画祭アジア新人部門 最優秀監督賞&優秀作品賞受賞
第21回台北映画祭国際 ニュータレントコンペティション部門 正式出品
第13回 JAPAN CUTS~ジャパン・カッツ!正式出品

 

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